Blog ツキ・ブログ

体験入学受付中

HOME // ツキ・ブログ // お菓子の商品開発で知らないと大失敗する1つの重要な知識&2つの心得とは

Blog 読むとツキがあがるブログ

CATEGORY


商品開発

お菓子の商品開発で知らないと大失敗する1つの重要な知識&2つの心得とは

2017.3.5 2020.9.24 2022.7.8 更新

お菓子の商品開発で知らないと大失敗する1つの重要な知識は「レシピ構成には専門家がいる」こと。パティシエなら誰でもいいのではありません。

加えて2点の心得とは①レシピを勝手にアレンジしない②開発スタート時から生産数を考慮する、です。経験20年超えのスイーツコンサルタントが分かりやすくまとめてご案内します。

【▽パティシエと直接取引して行き違いになったケース】



▲パティシエさんと話が通じない!何とかして!とご相談が..専門知識が必要な直接取引は難度を極めます

目次

商用レシピは専門家に依頼するもの

△商品化は可食部以外の知識も必要
いわゆる販売商品に使うレシピは「商用レシピ(営利用レシピ)」と呼ばれ「限られた専門家」が作ります。どこに頼めばいいの?と迷った時、近くにいる安く頼める人(お知り合いのパティシエ・料理人など)に依頼するとほぼ失敗します。

通常パティシエは「レシピ通り」に作るのが仕事で「レシピ自体」を創るのは本業ではありません。例えば、歌手がシンガーソングライターをマネて作った楽曲はそれなりであるように。

パティシエの中でもレシピが作れる人物は全体の1%程度と極少数です(経験10年が目安)

・商用レシピ作成
・(商品化を目指す)極小ロット試作代行

は高度な知識が必要で「お菓子が作れる人」なら誰でもいい!だと失敗するのでご注意下さい。

仮に1%の(レシピが作れる)パティシエを見つけても、依頼者側に専門知識が無い場合「門前払い」です。当方にお問い合わせ下さる中にも、他所で体よく断られたな…と分かるご依頼は多いです。

レシピ構築の専門家が少ない分、本腰を入れた(売れる)スイーツ開発費用は「優秀な人材を1名雇う」程度の準備は必要です。

▷レシピ構築
▷初期の試作代行
▷レシピ修正
▷OEM先落とし込み
▷商品化
▷シリーズ化
▷アップデート継続…商品を育てるのに「これで終わり」はありません。

専門知識が無いと見積りすら「門前払い」です

△レシピ構築は、注文住宅の建築と似ている
例えば、住宅購入の際「建売(定型)住宅」と「注文(カスタマイズ)住宅」があり、「注文」の方が高価格で…と説明があり「何で?どうして?」(基礎知識ゼロ)では見積り解説にめちゃくちゃ時間がかかります。

ただでさえ希少なスイーツレシピ構築の専門家は解説に時間が割けません。しかし作業の難易度が分からない人に、正確な見積りは出せません。

当方では私が窓口となりベテランパティシエとの橋渡しを行うため(共に経験20年以上)スピード感ある分かりやすい見積り解説と確かなサービスをお約束します。

①商用レシピは勝手にアレンジしない

△レシピを勝手に変えちゃダメ!!
まずは(これはいつものお願いですが)レシピを勝手にアレンジしてはいけません。本当にダメ。たとえば、レシピには「金属型」と記載があり、現場で「シリコン型」を使った場合。

レシピの専門家がわざわざ「型」を指定したのは勿論意味があります。「シリコン型」と金属型は「熱伝導率」が違います。型もオーブンも両方違うと、レシピを再現できません。

例えば、名店の炭火「焼き鳥」をご家庭のフライパンで再現できないように。秘伝のタレと使う鶏が同じでも熱源が違えばダメ。

製造スタッフには当然未経験の方もいて、誰でもレシピ通りに再現していただく為に、プロが熟考してレシピを設計しています。

適当にアレンジして失敗した事例

△指示と違う「シリコン型」を使用
「熱伝導率」という部分を丸々カットして残念な仕上がりに…
 
金属型よりシリコン型の方が安価で、安い方が良かろう!とアイデア(思いつき)が商品レシピを殺したパターンです。アレンジにより商品化は失敗に終わります。

指示通りにやって成功した事例

△指定の金属型でキレイに仕上がった
対して、ほぼ同じレシピでしっかり商品化できた事例。レシピを再現できない時は、知らず知らずのうちにアレンジを加えているケースがほとんどです…(似てるから良いだろう!のように)

専門家が型や材料を指定している時は「再現性を高める」狙いが確実にあるので、そこは要注意です。

スイーツの物語(誕生秘話)は感情で成立しますが、レシピは「スイーツの設計図」なので数学(科学)で成り立っていて、数学には正解と不正解が確実にあります。

専門家が「これはやっちゃダメ」と言っている時は、明確に答えが見えているので、本当にやらない方がイイです。かれこれ20年以上言っていますが、商用レシピは適当にアレンジしちゃダメです。

商用レシピが無事商品化された事例

△凍ったままが美味しい生米粉カヌレ
・(ほぼ)同じレシピ
・同等の設備と人材スペック
があり勝手にレシピをアレンジしたチームは商品化「失敗」。レシピを忠実に守ったチームは商品化に「成功」しました。

②生産数の規模を熟考してからスタート

△フレーバー展開を意識した試作
「生産数」をもっと意識した方がいい!これは、もう「経験値」に近い話になってくるのですが…「数万個製造する予定の商品を、個人消費のサイズで設計しちゃった感」をよく見かけます。

機械耐性や保管(在庫)の想定が「個人のケーキ店」(100個~)のソレで、数万個製造のOEM先まで考慮されていないことがあります。「一体どこの冷凍庫にしまうんですか?!」とか「箱は誰が在庫するんですか?!」問題が置き去りになっているケースです。

もし初期段階だけ「小ロット」でいくならば、レシピは「大ロット」を想定して熟考しないといけない。もひとつ細かい話をすると、ロットが大きくなるほどそれは「経験」がないと想定すら難しいです。例えば「カレーライス」を4人分作るのは想像できても、4万人分作るのは「何から何まで違う」ので準備段階から悩むはずです。

マザースイーツのレシピは、プロがココ(小→大ロット移行)をスムーズに作り込んでいます。オーブン設備の差、作業場の温度差でも、仕上がりが変わってくるので、そこも加味してレシピコントロールしています。 

プロは10年先を読んでレシピを創る

「アルバイトスタッフがA作業場で製造すると、生地完成に○○分はかかるよなぁ…」という想定を繰り返すのですが、そういったテスト(ヒアリング)期間を作れないのであれば、レシピは「難易度低め」にしておくのが得策です。

マザースイーツでは「個人営業のカフェ」から「有名な商社」まで開発に関わらせてもらい、初期段階の小ロット→大ロット製造は、本当に技術(経験値)が必要だと痛感しています。将来、大量生産狙いならば、その知識を持つスタッフをチームに入れておくといいと思います。

製造スタッフの技術力や、設備や器具は勿論のこと、世の中動きや包装・箱デザインまで、レシピ専門家は全てを上手にレシピに盛り込んでいきます。

これは「経験値」の話なので「優秀な専門家を入れる」というのが答えで「いや、私がやってみたい!」のであれば(先のレシピアレンジと同じで、その気持ちはすごくよく分かります!)

少なくとも今の10倍は(いろんなスイーツレシピ)を分析しなきゃいけないし、レシピ分析できる“人生の時間割”を組まなきゃいけない。

当方の若手パティシエが、怒られる時というのは「センス」の話はあまりされなくて、もっぱら「分析量が少なすぎ!もっと比較分析して!」です。

『分析』という行為は『言語の獲得』と捉えるといいと思います。『量』を分析しないとアイデアをコトバにすることもできません。

とりあえず「レシピは勝手に変えちゃダメ」と「製造のサイズ感をもっと意識した方がいい」の2点が大事です。

スイーツ開発3つのポイント・まとめ

実はスイーツの商品開発依頼は相当ハードルが高いです。専門家の人数は少ないですし、それなりに知識がないと希望のスイーツイメージを伝えることも難しい。

当方ではこそだて世代のパティシエが、もっとカジュアルに開発に着手いただけるよう、費用を抑え・丁寧な解説付きで、オリジナルスイーツの「商品化」アシストを行います。
・プロ目線で我が子に本当に食べさせたい
・添加物を極力避け安心で美味しい
・シンプルで上質なスイーツ
をご提案しています。LINEからご相談内容をお聞かせ願います。
自動情報配信ではございませんで、ご登録だけですと何も流れてきません。ご覧いただいた記事の内容についてなど、ぜひコメントをお願いします(^.^)

◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。

商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。10年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)23年在籍している珍獣です。菓子と現場の人づくりスイーツコンサルタント。

つきえ経歴(←タップしてご覧下さい)

ブログ一覧から「商品開発含む 全500記事」を閲覧できます。  ↓ ↓ ↓

ブログ一覧