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スイーツ「ベンチマーク品」の模倣、再現難易度の測り方の目安
スイーツ開発における「ベンチマーク品」の模倣や再現について、「これとそっくりに(売れている人気商品を指差し)作れますか?」とご質問いただいた際、その実現難易度には、およそ測り方の目安があります。
簡単にできる物から難しい物まで、かなりの差があり一律ではありません。経験20年超えのスイーツ技術コンサルタントがまとめてお伝えします。
目次
「できる・できない」は何を指しているのか?
そもそもの大前提としてベンチマーク品を「再現できる・できない」(できた・できなかった)の達成・非達成を、どこで確認するのか?を整理する必要があります。
当方MOTHERSWEETS®開発チームでは、基本的にどのような製品でも試作代行可能です。ただ「試作」ができた=「商品化」できる、とは限りません。
試作段階では小ロットで職人が1つ1つ手作りで、忠実に再現品をお作りしますが、商品化となれば「専用マシン」が必要ですし、ロットによっては「相応の生産能力」を備えた大型マシンが必要です。
ですので、マシンがあるOEM工場と連携するとか、御社に該当マシンがある、といった状況でないと「試作品」ができたところで「商品化」は難しい、と言えます。
単純に「できる・できない」を即答する前に、試作品ができれば良し、とするのか、商品化までを求めるお話なのか等、前提を整理する必要はあります。
試食の有無で判定精度が高まります
「○○(売れている人気商品を差して)商品の再現は可能ですか?」とご質問いただいた段階で、当方MOTHERSWEETS®チームが、該当品を【試食済か否か】で回答精度はかなり変わります。
当然ながらホームページ等の情報のみですと、実物を手にして味見できた状態より、ぼんやりとしたお答えしかできません。
仮に誰でも知っている有名な「銘菓」等でも、以前に私共が食した頃から微細な更新(マイナーチェンジ)がされていたりするため、常に最新版を試食確認する必要があります。
再現・模倣が難しい商品とは?
再現や模倣が難しいスイーツ商品を、ひと目で見分けられる方法が商品の「展開量」と「移動距離」です。
つまり、全世界に展開されているお菓子は展開量も多く、製造された商品が世界各国を巡っているため移動距離も大きい。
このような製品は大型マシンで製造されているため、手作りでは再現、模倣が難しいのです。例えば、寿司ロボットが作る「にぎり寿司」やコンビニの「おにぎり」を職人が一生懸命に再現するようなもので、あれらの食感はマシンならではの味で、職人が握るものは微妙に違うと言えます。
どんなに似せてもマシンの味にはならず、こだわりが強い場合は、寿司マシン、コンビニおにぎりマシンが無いことには再現不能と判定されます。
またそのような商品はマネしたところで、後発組の勝ち目が少ないとも言えます。その理由は以下の通りです。
・少量生産では割高にしか仕上がらない
(大量生産における割安ボーナスがない)
・物流網がないと太刀打ちできない
(コンビニスイーツ等は自社物流がある)
・より大きな設備のOEM先がない
(マシンの持つ生産能力数しか製造できない)
では、展開量や移動距離が少ない「家族経営」タイプのスイーツ類はどうか?というと、こちらは手作り品も多く、試作段階までは比較的に再現しやすいものの、実際に商品化するまでには2つの難しさがあります。
・再現するのに、まずまず高い技術力が必要
(人材を集める、もしくは教育する事が必須)
・大量生産できるマシンが存在しない
(マシンメーカーとの協議が必須)
最も商品化率を高める開発方法とは?
MOTHERSWEETS®チームでは、プロが作り込んだ(比較的少ない技術でも優れた製品に仕上がる)オリジナルレシピの構築が得意です。
売れている人気商品をマネしたところで、同じように売れるわけではありませんし、本家を追い越すことは、さらに難しいものです。
それであれば、始めからオリジナルレシピで勝負した方が「マネっこ」より早く商品化が可能です。
商品化率を最大限に高めるための工夫として
・使用材料数を削ぎ
(材料発注・保管管理の省力化、混ぜる順番ミス軽減)
・難度の高い技術を削ぎ
(高齢者、障がい者、アルバイト従業員の雇用)
・フレーバー展開しやすい癖のないレシピ
(材料置きかえで簡単にアレンジ可能)
レシピの具体的な難易度については以下の記事からご覧いただけます。
▷レシピの再現難易度・格付け分類表・MOTHERSWEETS®(←タップすると開きます)
スイーツ商品開発のプロが作り込んだレシピ
プロ(MOTHERSWEETS®チーム)が作り込んだレシピは、商品化を見据えているのは当然ながら、商品化後も5年、10年、さらに先の未来永劫、継承されてゆくことを想定してレシピ構築しております。
レシピ製作作業(商品化開発作業)は、まるで「我が子」を産み落とすような感覚で、産みっぱなしの育児放棄はできないのです。その商品が長く愛されるよう願ってお作りするので、当然先々の事(あらゆるリスク)も踏まえた造りとなります。
LINEからご相談内容をお聞かせ願います。(月江直通で自動情報配信ではございません)
◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。10年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)24年在籍している珍獣です。スイーツ技術コンサルタントとして活動中。
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