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プロが現場で行う実践テンパリング技術を習得するには【チョコレート編】

プロが現場で行う実践テンパリング技術を習得したい。温度計に頼ることなく、目視だけの判断でスムーズに温度調整を済ませるには?テンパリングは難しい技術に思えますが
「操縦法」を知ってしまえば非常にシンプルで、慣れれば簡単に扱えるようになります。経験25年超えのスイーツ技術コンサルタントが分かりやすくまとめてお伝えします。
目次
- ○ プロの現場テンパリングはシンプルで簡単です
- ○ 溶かしたチョコは「分離液状ドレッシング」と同じ
- ・A:溶かす温度は固まりが無くなるまで
- ・B:冷やす温度は今にも固まりそうな状態へ
- ・C:作業しやすい流動性に整える
- ・試しにオランジェットを作ってみましょう
- ・チョコの結晶さんと対話します
- ○ プロの現場チョコレートテンパリング・まとめ
プロの現場テンパリングはシンプルで簡単です

皆さんテンパリングを難しく考えていらっしゃるような気がします。「チョコの結晶が…」とか「何度で溶かして」「何度まで下げて」「何度に上げる」のような厳格な基準にとらわれていたり、過去に、なかなか固まらない事態や、ブルームの悲劇に見舞われた経験があると、どうしても苦手意識が芽生えて臆してしまう気持ちは非常に良く分かります。
ただ私も【チョコの結晶の種類】については教科書の中には載っているものの、実物を見たことはありませんし、パティシエの現場で温度計とにらめっこしてテンパリングを取った記憶もありません。
得意な人がチョコを扱うと、なんとなくサラっとできているように見えます。実はチョコの操縦法はいたってシンプルです。①「温めると溶ける」②「冷やすと固まる」たったそれだけなのです。
溶かしたチョコは「分離液状ドレッシング」と同じ

市販されている板状やタブレット状のいわゆる【固まったチョコ】はテンパリングが取れていて、油脂分・糖分・固形分が均一に分散しています。それが一旦溶かしてしまうとチョコの性質が変わります。まるで「分離液状ドレッシング」のように成分が分離集中してしまうのです。
ドレッシングも一生懸命に容器を振った瞬間は成分が混ざったように見えますが、静置すると徐々に油分が浮いてきますよね。チョコレートの中でも同じ事が起こります。ファットブルームという白いまだら模様が表面化するアレです。
つまりテンパリングという作業はチョコレートが分離しないうちに早々に固めてしまいたいという方向性を持たせるためのものです。固まるまでに時間がかかるとマズいのです。
A:溶かす温度は固まりが無くなるまで
B:冷やす温度は今にも固まりそうな状態へ
C:作業しやすい流動性に整える
試しにオランジェットを作ってみましょう

ここにスイートチョコ500gがあります。温度計ナシの目視でテンパリングの操縦法を体験してみて下さい。①市販のチョコは固まっているので、このままでは作業ができません。ですのでチョコは溶かします。この時、塊がようやく消えるまで溶かします
→②一旦溶けたチョコは【分離する方向性】を持つので【固まる方向性】を与えてやる必要があります。チョコは冷やすと良く固まろうとするので、全体を冷やします
→③全体が味噌のようにポッテリと粘度を増して、今にも固まりそうな気配です。ここで湯煎に当てます
→④オレンジピールにキレイにかかりそうな流動性になるまで緩めます。やり過ぎると分離液状ドレッシングに戻ってしまうので注意です。これで温度計を使わず調整終了となります。
チョコの結晶さんと対話します

私はチョコに結晶があるのを見たことがないのですが、そこにいるような気持ちで対話することはあります。小さな結晶さんが沢山うごめいていて、さあ皆さん一致団結して固まりましょうねーと全体を冷やしながら声をかけます。
その際、ボウルの壁面やゴムベラの持ち手近くで、置いてけぼりになっている結晶ちゃんがいないように、まんべんなく気を遣います。そして全員の方向性が揃い出すと急速に(猪突猛進に)固まりだそうとします。
その「やる気」を削がない程度に、フワッと結晶ちゃんを落ち着かせてあげる感覚で、軽く温めてあげます。すると「あれ?ボクら急ぎ過ぎてた?」と固まる速度がのんびりしてくれるんですね。その隙に必要な作業を手早く済ませるのです。作業終了と共に固まってくれたら完成。
見えないですけど、結晶ちゃんと対話する感覚でやると上手くいくはずです。実務では科学的な正解より、製品がキレイに速く、まともに完成するか、が求められます。理屈が少々違っていようと構わないのです。
プロの現場チョコレートテンパリング・まとめ

結晶ちゃんと対話できるようになったら、ゴムベラの扱い方テクニックを学ぶことで基本のテンパリングは習得したと言えるでしょう。具体的なチョコレートの温度数値は【データ】なので、そこに振り回されるより、もっと根幹の「操縦法」を体感で覚えるべきです。
〇〇はどうしよう等と「悩む時間」を費やしても「行動」が、どんどん遅れてしまいます。それより必要な行動に絞って戦略通りに効率良く動く方が確実に結果が出ます。
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◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します
パティシエを続ける方を応援しています。3年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)25年超えで在籍している珍獣です
つきえ経歴(←タップしてご覧下さい)スイーツ技術コンサルタント
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