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パンの分類法【リッチ】なパンと【リーン】なパンって何ですか?
パンの分類法【リッチ】なパンと【リーン】なパンとは?端的には「脂肪分が多いか、少ないか」という意味です。英語でリーン(Lean)の表現は、人物の体形ですと「贅肉がない」とか、ビジネスでは「スリム化」を指します。
つまり、リーン=「シンプル」とも言えます。経験20年超えのスイーツ技術コンサルタントが、パンについて簡単にまとめてみました。
目次
「リーン」なパンは脂肪分を含まない
パンを2つに分類する際、シンプル組は「リーン(Lean)」、濃厚組は「リッチ(Rich)」と呼びます。これは主にパンに使われる「材料の配合の違い」で分類します。
例えば「蕎麦」だと、「麺+つゆ」(かけそば)のようなシンプルなやつから、てんぷら、カレー、肉そば、のような濃厚系まであって、シンプル蕎麦は脂肪分を含まず、濃厚系蕎麦は高脂肪メニューが多いのと同じです。
パンも材料がリーンかリッチかによって、味・食感、おすすめの食し方、保存方法が異なるので、今回はその違いも見ていきましょう。
リーンなパンの代表格
最もシンプルな蕎麦の形態が「麺+つゆ」だとすると、最大限のリーンなパンは「小麦粉・酵母・塩・水」の4つの材料で構成されます。
◆リーンなパンの代表格
フランスパン(バゲット)
パン・ド・カンパーニュ
カイザーゼンメル
ベーグル
対してリッチなパンは、基本の4大材料(粉・酵母・塩・水)の他に、砂糖・はちみつ・卵・バター・マーガリン・ショートニング・牛乳・生クリーム.・練乳・粉乳..などが使われているパンです。つまり「油と糖」が多いパン群です。
◆リッチなパンの代表格
ブリオッシュ
クロワッサン
各種デニッシュ系
菓子パン類
あんパンやクリームパンなどの菓子パンや総菜パンは、リッチな生地を使用していることが多いです。
(例外として「フランスあんパン」といった「リーンな生地」であんこを包むケースもあります)
「リッチとリーン」シーン別の使い分け
◆リーンなパンの使いどころ
・小麦本来のうまみと風味を味わいたい
・皮がしっかりして、かみ応えが欲しい
(気泡の大きなパンは、かみ応えのある食感です)
・料理と合わせる主食にしたい
◆リッチなパンの使いどころ
・バターなどの贅沢な甘さや風味を感じたい
・しっとり、やわらかいパンが好き
・そのままおいしく食べたい
リーンなパン=「ハード」パン
リッチなパン=「ソフト」パン
と食感の違いで呼ぶケースもあります。
食パンは「リッチ」なの「リーン」なの?
ちなみに、日本の食卓に良く登場する「食パン」は、リッチとリーンの中間程度に分類されるでしょうか。味わいはシンプルに感じますが、皆さんの想像以上にの砂糖や卵、油脂類を含みます。蕎麦メニューなら「山菜きつね温玉蕎麦」位の位置付けです。
1番分かりやすいのが、表記の使用材料を確認してみることで、4大材料以外の物が多く書かれているほど「リッチ寄り」な食パンと言えます。
◆常温保管した際の劣化の違い
リーンなパン
・焼けた当日が一番おいしい
・食べ切れない分は密封して冷凍保存
リッチなパン
・焼けた翌日も柔らかい
・温め直しても美味
・食べ切れない分は密封して冷凍保存
リーンなパンの方が「食べ頃」が短いです。いずれも、すぐ食べる分だけ常温保管、残りは早めに冷凍下さい。
パンの知識が深くなると、パンを買う時や毎日の食卓が、さらに楽しめると思います。
パンの2分類法・まとめ
パンの呼び名に「リッチ」や「リーン」というものがあり、それは主にパン生地中の「脂肪分の多さ」で判定するものでした。一般的には「ソフトパン」「ハードパン」の方が馴じみがあるかもしれません。
リーンでハードなフランスパンが好き!という方は、なかなかの「パン通」でしょうね。
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◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。10年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)24年在籍している珍獣です。スイーツ技術コンサルタントとして活動中。
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