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スイーツ商品開発における最大の参入障壁とは
スイーツ商品開発における最大の参入障壁とは。その答えは「費用が継続してかかる」ことです。お金が続かず頓挫するケースが最も多く、その理由の1つに「お菓子のレシピができれば完成!」それでおしまい、だと思っていた、というのが挙げられます。経験20年超えのスイーツコンサルタントが分かりやすくまとめてお伝えします。
目次
「継続して費用がかかる」という参入障壁
スイーツの商品化には大きな壁があって、そこをなかなか突破できない理由の一つに「お金」の問題が大きくあります。
「少量の試作だし、まだ配送するわけでもないんで開発費用は、そこまでかからないんじゃないの…?」と思われるかもしれません。もちろん開発費用をそこまでかけずに“実施すること”はできます。
ただ、この「開発費用」にも色々ありまして…例えば、ここには「先々、一緒にやりましょうね」という技術スタッフとの『手付金』のようなものも含まれたりします。(※ワザと小さい仕事を先に入れる)
優秀なスタッフは奪い合いになるで、先に予約(スケジュールを確保)しておかなければいけないんです。あと生々しい話をすると「月江さんが間に入るならやってあげるよ」みたいなことも当たり前のようにあって、
月江を絡めておかないと話が前に進まなかったりします。
「商品化に向けて、そこまで費用をかけずに行う開発」は、このあたりの「人をキープ」するお金を節約することになるわけですが、それだと開発を行うことはできても商品化ができないんです。
優れた技術者、OEM先をを引っ張ってこないと本当の意味でのスイーツ戦は始まらないんです。騎馬戦で騎手(リーダー)がどんなに優れていても3人組の騎馬がヘタレだったらダメなのと同じです。
つまりスイーツ戦は「打席に立つ時点でメチャクチャお金がかかる」というデスゲームで「お金が用意できない人はサヨナラ」と言わんばかりの世界です。
新製品生み出すのにお金がかかる上に、業界内で関係を築く(良いコマを集める)までのお金もかかる。その上に、予算回収の約束(売れる約束)が無い商品の生産費用の予算作りに明け暮れる…
このようなお金が払える企業はほとんどありません。「お菓子の秀逸さで負けた」という理由ではなく「そんなお金払えません…」という身も蓋もない理由で、スイーツ戦に参戦できなかった(戦いから降りた)事例を沢山見てきました。
スイーツ商品開発の課題=お金が続くか問題、だとつくづく思い知らされます。
ただ、こういう難しい問題と直面する度に「だから他のチームは脱落するよね」とも思えます。逆手に取れば有利に事を運べるとも言えます。
スイーツビジネス戦への参加条件
スイーツ商品開発は「月々の携帯利用料」のように基本的にその事業を続ける限り継続してお金がかかります。新商品を1品開発できても、その先もやるべき事は尽きないからです。
・飽きられないように新フレーバー展開をする
・限定商品、季節商品を開発する
・姉妹品シリーズ展開を手掛ける
・主力(メイン)商品のモデルチェンジ
・新素材(材料)の検討(材料高騰など)
・新しい道具、設備の検討…
どこまで行っても「これで終わり」がありません。時代に合わせて常に「商品可食部」やその商品に関わる全てをアップグレードし続けないと周囲ライバルに追い付かれ、追い越されてしまう世界。
スイーツ開発は「こそだて」と似ていて立派に育て上げるまでには「相当の時間と費用」を覚悟する必要があります。その覚悟の有無がスイーツ戦への参加条件と言えるでしょう。
スイーツ戦への挑戦権を獲得するには・まとめ
スイーツ商品開発を検討する時点で、継続した費用を捻出できる「仕組み」(予算作り)から考えていただく必要があります。それでないと人間の子供と同じで、商品のたまごを産んだはいいけど、育てられない(育児放棄)になってしまいます。
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◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。10年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)24年在籍している珍獣です。スイーツ技術コンサルタントとして活動中。
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