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職人の「塩梅」VS 「機械化専用レシピ」2極化するスイーツ商品開発を紐解く

2017.8.4 2021.6.27 2022.12.15 更新

職人の「塩梅」VS 「機械化専用レシピ」2極化するスイーツレシピ(商品開発)を紐解くページ。ポイントは「再現性」の違いです。

スイーツレシピには誰がやっても「同じように完成できる」ものと「できない」ものがあります。両極端の特長とメリット、デメリットを経験20年超えのスイーツ技術コンサルタントが分かりやすくお伝えします。

目次

職人の「塩梅」とは?

「塩梅」を取る=いい具合を見極める作業
これは一般の方には判断が難しい職人技です。お菓子作りの工程ごとに、その日の「色ツヤ」や「滑らかさ」「香り」を確認し作業手順を微調整します。

毎日の「気温」「湿度」「素材の状態」で手順が変わるため、分かりやすい指標
・かき混ぜる回数
・加熱する温度帯
・必要時間の指定
が明記できないのが「塩梅」です。

仮に「アルバイト従業員」に
・20回混ぜる
・180℃のオーブンに入れる
・15分焼く
と指示通りキッチリ作業いただいても、日ごとに気温と湿度・素材状態は異なるため「毎度違う仕上がりになる」(安定しない)のが普通です。

そこで職人は「塩梅」を取り、夏でも冬でも「いつでも同じ仕上がり」を実現しています。いつでも同じ味にする(安定して仕上げる)=毎日違う手を打つ(都度ベストな判断をする)なのです。

機械化&障壁除去レシピとは?

そこで「未経験者」や「アルバイト従業員」に安心して作業を託せるよう工夫したのが「機械化&専用レシピ」です。判断の難しい塩梅を避け
「レシピ構築のプロが」
「再現性を高めて作り込んだ」のが
「機械化専用(障壁除去)レシピ」です。

例えば、以下のような分かりやすい指標に従えば
・20回混ぜる
・180℃のオーブンに入れる
・15分焼く
誰がやっても比較的安定した仕上がりを得られるのが特長です。大量生産するケースや、どこの場所でも同じ品質に揃えたいケースに向いています。

寿司職人VS寿司ロボットの違い

ちなみにレシピ構築の力(機械化)で再現(障壁除去)するのが難しい職人技(塩梅)のジャンルには決まりがあります。(レシピ構築にも限界はあります)

◆使用材料数が少ないシンプルなもの◆

例えば、料理の世界ですと「にぎり寿司」。寿司を握る職人と寿司自動にぎり機の対決です。レシピ自体は「ご飯、寿司酢」を混ぜて握るだけですが、どんなに米や寿司酢を工夫しても、職人が握る寿司と同じ味で機械化するのは難易度が高いです。(機械化した寿司が売れる、売れないは別のお話)

「塩梅」と「障壁除去レシピ」違い・まとめ

スイーツレシピは大きく2つに分けられます。
・職人技レシピ(塩梅を多用している)
・機械化レシピ(塩梅を極力減らしている)

職人技レシピは、製造工程をプロ(職人)が行う必要があります(一般の方には再現不可)

機械化(障壁除去)レシピは、レシピ構築をプロが行う必要があります(製造作業は未経験者でも可能)

職人技(塩梅)の言語化(技術指導)と障壁除去レシピの作成についてはLINEからご相談願います。
自動情報配信ではございませんで、ご登録だけですと何も流れてきません。ご覧いただいた記事の内容についてなど、ぜひコメントをお願いします(^.^)

◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。

商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。10年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)23年在籍している珍獣です。菓子と現場の人づくりスイーツコンサルタント。

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