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スイーツ『試作費』は原価か経費か?プロが解説する商品開発コストの実務

2018.3.3 2026.4.12 更新

ホテルのシェフからLINEに寄せられた【原価計算に関する相談】をもとに、試作費を原価に含めるべきかを専門家が解説。ホテル業界におけるデザート開発と収益管理の実務を、経験25年超えのスイーツ技術コンサルタントが詳しく紹介します。

目次

ホテルのシェフから寄せられたご相談

本件相談内容:
・試作に使用した材料費は原価に含めるべきか
・開発費として経費計上するのが一般的なのか
※守秘義務のため一部内容を編集しています。

|試作費は「原価」か「経費」か?

結論として、一般的な考え方は以下の通りです。

区分      取り扱い
試作材料費   開発費(経費)として計上
量産材料費   製品原価として計上

試作は商品完成前の投資であり、量産品とは区別して管理されます。

|ホテル業界における管理会計側としての実務

一方で、収益性の分析を目的として試作費を原価に反映させるケースもあります。
・商品ごとの採算性を可視化できる
・投資回収期間の把握が可能
・経営判断の材料となる

ここで管理会計側の意見と、製造現場での意見が対立するケースが多々見受けられます。私はその間で通訳、仲介、整理、まとめの業務を行っています。

ホテルデザートの適正原価率

一般的な目安は次の通りです。

提供形態   原価率の目安
ホテルレストラン   25~35%
宴会・婚礼   20~30%
ラウンジ・カフェ   30~40%
テイクアウト   30~45%

|現場と経営をつなぐ仕組みづくりの重要性

今回の相談から見えてきた課題は、現場と経営の認識の違いです。これは本件に限らず、どこでも見受けられる典型的な課題です。
・開発費の扱いが統一されていない
・原価管理の基準が明確でない
・商品開発の投資対効果が見えにくい

これらを整理することで、収益性の高い商品開発が可能になりますが、収益ばかりに気を取られてしまうとスイーツは非常に「つまらない」ものになってしまいます。

元々「デザート」というのは貴族的で優雅で特別な場にて饗されるものです。それが効率や合理化を追い求め始めた途端、行き着く所は「スイーツなんて無くても生きていける」に到達してしまう。スイーツ自体、無駄を楽しむ余裕のある人間がありつける贅沢品なのですから…

ホテルの場合はデザート部門単体で収益を上げることは考えない方が良いでしょう。

スイーツ試作費は原価か経費か?・まとめ

試作費の扱いは目的に応じて判断することが重要です。
財務会計:経費として処理
管理会計:収益分析のため原価に反映
適切な管理は、ホテル経営の安定とブランド価値の向上につながります。他スイーツコンサルタントとしてのサポート内容は、

・デザート原価計算フォーマットの作成
・ホテルや店舗、企業向け商品開発コンサルティング
・パティシエ研修・人材育成
・メニュー開発および収益改善支援
臨機応変に承りますのでホテル・パティスリー・企業向けの商品開発や研修のご相談は下記よりお問い合わせください。(月江直通で自動情報配信ではございません)

◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。3年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)25年超えで在籍している珍獣です。スイーツ技術コンサルタントとして活動中。

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