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レシピ盗用を怖れないブランド戦略、製造工程の知財化とは

2018.10.26 2025.10.26 更新

レシピの配合と工程は別物です。数値化しにくく、レシピに書き切れない「工程の技」というのがあります。レシピを公開しても差別化できる理由は「工程の知財」という考え方です。

事業者が守るべきは「配合」ではなく「工程の言語化されない部分」なんですね。経験25年超えのスイーツ技術コンサルタントが分かりやすくまとめてお伝えします。

目次

レシピ配合は氷山の一角

一般的には「レシピが全て」だと思われがちで、レシピさえ手に入れば誰でも同じ物が作れる、と認識されています。

ところが実際には全くそんなことはありません。私はプロのパティシエを育てる2年間の全日制製菓専門学校に専任講師として勤務して授業させてもらっていましたが

同じレシピ、同じ道具・設備、同じ日、同じ空間、同一条件で作業しているにも関わらず、1班から15班、職員班の全てが微妙に仕上がりに差を生じていました。

同じレシピで、同じに仕上げられたら、それはプロです。

音楽で言えば、同じ譜面を見れば、全員同じ演奏ができますか?という問いかけです。やはり、譜面の読み取り力や、表現する技量の差は出るはずです。

菓子も仕上がりを決めるのは、レシピの良し悪し以上に、実は【工程の技】なのです。技量のある人なら、どんなレシピでも最大限、魅力的に完成させるのです。

わらび餅で分かる、レシピが盗まれてもOKな理由

先日「わらび餅」に関する相談をいただきました。どうも仕上がりに納得いかない。ベタ付いて作業性が悪い。良いレシピが無いものか?という内容でした。

私からは「火力」の修正を、ご提案しました。もっとこう新素材を提案されるとか、材料の配合をいじったりするものだと期待されていたのか、「え?それだけ?」という感じに拍子抜けの様子でした。

ただアドバイス通り「火力を上げて長く練ったら透明度が劇的に変わった」というコメントを挙げていただきました。

このように配合(分量)と工程は全く別物であるという事実を知る必要があります。そして工程というのは、無数に存在し、全て記入していては「巻物」のように長ーくなってしまうので書かれていないのが普通なのです。

音楽の譜面も同じですよね、いちいち記号の意味や、具体的な表現方法は事細かに記入されていないでしょう。

「レシピは公開して問題なし」技が守るコピー対策

加熱する菓子であれば、火加減、火止めのタイミング、練りの回数や速度、など、それらは作業日の室温、湿度にも影響される、変数が多すぎて、全てを数値化して記すことが現実的ではない「工程の技」です。

レシピを公開しても差別化できる理由は、この「工程の知財化」という考え方にあります。

事業者が守るべきは「配合分量」ではなく「工程の言語化されない部分」を継承することなのです。スイーツ製造の「工程レベル」の伴走指導、コピー防止を踏まえたレシピ構築こそがブランドの本当の守り方だと思います。

レシピ盗用を怖れないブランド戦略のまとめ

よく頂戴するご要望として、未経験、アルバイト、高齢者スタッフ、誰が作っても簡単にプロのような仕上がりになるレシピを下さい、というのがあります。

当方は、そこに応えるプロですので、もちろんご要望の物を用意できる自信はあります。ただ気を付けたいのが、そのレシピは流出した時点でライバル事業者にも簡単にマネできてしまう諸刃の剣でもあるのです。

非常に便利なものは、自分側に大きな損害を与えるリスクがあることも、当方では示唆しています。〇〇はどうしよう等と「悩む時間」を費やしても「行動」が、どんどん遅れてしまいます。それより必要な行動に絞って戦略通りに効率良く動く方が確実に結果が出ます。

うーん、これを聞くべきか…?迷った時点でLINEから、お気軽にご相談下さい(月江直通で自動情報配信ではございません)

◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。3年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)25年超えで在籍している珍獣です。スイーツ技術コンサルタントとして活動中。

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