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層が無くても “おいしい” は作れる!―農家さんとのアップルパイ開発術

2017.4.14 2022.9.5 2025.5.11 更新
農家さんとのLINE相談から生まれた、物語性を重視した【層が無くてもサクほろ食感】を実現したアップルパイ。プロパティシエとは違う、素朴ながらにりんご風味たっぷりの温かい味は、コンセプトに基づいた設計です。

パイ生地の端っこを再活用する歩留まり改善アイデアまで経験25年のスイーツコンサルタントが具体策を徹底解説致します。

目次

コンセプト優先で設計するアップルパイ

「層が無いとダメなんですかね?」
「“農家の奥さんが子ども達を待って焼くお菓子”がコンセプトですよね?」
――そんな LINE での気づきからすべてが始まりました。

なぜ “パイ=層” に囚われてしまうのか。一生懸命に開発を進めていると、SNSなどの情報洪水に影響されインスタで見る美しい写真を=成功形と錯覚しがちになります。

ただプロパティシエの洗練されたアップルパイだけが正解とは限りません。コンセプト次第ではゴールが違ってきます。プロは「視覚的な洗練度」を重視しますが、家庭的な商品ならば「物語と安心感」を大切にしたいところです。

りんご農園ならではのアップルパイとは?

『アットホーム』というコンセプトへの整合性は大切にしたいのと、りんご農家として【りんご素材】の活かし方に重きを置いて開発を進めます。

プロパティシエ的視点 VS 農家さんコンセプト視点
生地厚 2.5mm の均一 VS 4 mm 多少ムラ有り OK
フィリング 水分コントロール VS ゴロッと果肉感
仕上げ グレーズで艶出し VS 粗糖をパラッ、素朴な焼色

コツ ①:バターの“じゅわっ”を残すパイ生地仕込み
ムラがあってOK/成形→いびつでもOK

コツ ②:リンゴは**砂糖18%・バター3%・シナモン0.3%**で軽くソテー→急冷“りんご畑の香り”を閉じ込めることで評価が一段増す

コツ ③:焼成は高温短時間スタート
200 ℃ 10 分→180 ℃で様子見

端切れで作る “一口サイズ” ミニアップルパイ

アイデア   形状ポイント
◆アップルパイ・ポップス 直径4 cm 丸+スティック
◆クランブルタルトレット φ5 cm カップ 端生地
◆アップルローズ リンゴスライスを並べ→マフィン型

アップルパイとは“別商品”として個性を打ち出す。

りんご農家の開発するアップルパイ・まとめ

パイ生地の層=【おいしさ】ではなく “誰のため”の商品か? で開発内容を決める事が大切です。農家さんのストーリーとリンゴの鮮度が最大の武器であるアップルパイには、洗練された美しさは要らないのです。

また端材はコンセプトに合った “別のおやつ” へ展開し歩留まり改善することも可能です。〇〇はどうしよう…等と「悩む時間」を費やしても「行動」が、どんどん遅れてしまいます。それより必要な行動に絞って戦略通りに効率良く動く方が確実に結果が出ます。

うーん…これを聞くべきか…?迷った時点でLINEから、お気軽にご相談下さい(月江直通で自動情報配信ではございません)

◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。3年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)25年在籍している珍獣です。スイーツ技術コンサルタントとして活動中。

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