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新品焼き型は“育てる”もの!— 月江流・型慣らし(シーズニング)の極意

新品の焼き型は洗浄・油膜・空焼きで“育つ”! 月江流・型慣らし5ステップと素材別ポイント・Q&A・メンテ術までを網羅。
型のくっつきを無くした一生モノを手に入れる方法を初心者でも迷わないチェックリストで解説。焦げ・錆・焼きムラを防ぎ、ベビーカステラからパウンドケーキまでプロの離型力と均一な焼き色を実現します。
目次
新品焼き型を“育てる”5ステップ ✔︎LIST

△焼き型に生地がくっつく、と相談のコメント
1 洗浄:中性洗剤+ぬるま湯で脱脂
2 完全乾燥:水滴ゼロを確認
3 薄油塗布:植物油をキッチンペーパーで均一
4 空焼き:180℃ → 軽く煙が出たらOK
5 拭き取り:余分な油を除きマットな油膜完成
上記を2〜3サイクル繰返しで“スルッと離型”
★ 使用後は→薄油→30秒空焼きが長持ち術
油分を落とす
中性洗剤で念入りに洗い、型に付いている製造時の離型剤やホコリをしっかり落とす。水ですすいだ後、完全に乾燥させる。(乾燥が甘いと油膜が形成されにくい)
初回オイルコーティング
無味無臭の植物油(グレープシードオイルやサラダ油など)または業務用ショートニングを用意します。キッチンペーパーに油を含ませ、型の凹部にまんべんなく塗布。
空焼きで油膜をなじませる
普段の焼成温度で型を加熱。油がほんのり煙を出す温度(180℃前後)にキープし型全体に熱を回す。余分な油をキッチンペーパーでふき取る。
繰り返しオイルを馴染ませ②~③を 2~3回繰り返す。表面がマット(サラサラ)な半透明の油膜でコーティングされた状態になるとOK。
ポイント解説
油膜厚:厚過ぎは生地焼色がムラになる
火加減:高温だと油が飛び散るので中火で
使用後のお手入れ:くっつきが心配な場合は仕上げに軽くクッキングスプレー(任意)を作業後のメンテナンスとし余分は紙で拭き取っておくとさらに安心。
以上の準備をすれば、新品の焼き型でも ホロホロの生地がスルリと外れるはずです。もし「それでもくっつく」「一部だけ焦げる」などトラブルがあれば、型素材(鉄・銅・アルミ)や厚さ、火加減の確認もお手伝いしますのでLINEからご連絡ください。
素材別シーズニング早見表

△新品の型を使用する際には型慣らしが必要
素材 シーズニングの要点 おすすめ油膜化温度 ワンポイント
鉄/鋳鉄 ・中性洗剤+タワシで余分な錆止め油を完全に落とす 180–200 ℃ 黒錆(赤錆ではなく)が形成されると◎
銅 ・柔らかいスポンジで優しく脱脂
・緑青防止に重曹湯で予洗い 160–180 ℃ 酸性洗剤は×/加熱で鈍色に変化しても問題なし
アルミ(生) ・中性または弱酸性洗剤で脱脂
・水気をしっかり飛ばす 160 ℃前後 酸・塩分に弱いため、甘い生地専用型として管理
アルミ・フッ素 ・油は極薄1回塗りで十分 150 ℃ 剥離の恐れを避けるため、強い洗剤や金属タワシは×
よくある Q&A とリカバリ術

△型慣らしでバッチリ焼けるように
Q&A リカバリ術
何度シーズニングしてもくっつく →油量が足りない、または温度が低い可能性あり ・油を薄く塗り直し → 200 ℃で空焼き追加
洗剤で洗ったらコーティングが剥がれた →洗剤で油膜が落ちた状態 ・STEP2~3 を1サイクル再実行
型の一部だけ焦げ付き・黒ずむ →焦げたカラメル分や錆が残っている ・重曹湯で軽く煮洗い → 木ベラでこそげ落とし → 再度コーテイング
甘い香り・油臭が残ってしまう 油膜が厚すぎる、または油の品質が合っていない ・油を軽く拭き取り → 無味無臭オイルで再コーティング
型の空焼き『型慣らし』・まとめ

型慣らしは、スイーツ開発における“愛情”そのもの。大切な相棒を育てるつもりで、ぜひじっくり取り組んでみてください。〇〇はどうしよう…等と「悩む時間」を費やしても「行動」が、どんどん遅れてしまいます。それより必要な行動に絞って戦略通りに効率良く動く方が確実に結果が出ます。
うーん…これを聞くべきか…?迷った時点でLINEから、お気軽にご相談下さい(月江直通で自動情報配信ではございません)
◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。3年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)25年在籍している珍獣です。スイーツ技術コンサルタントとして活動中。
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