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グミが「現代人にやさしい菓子」として支持される生理学的背景

2017.06.06 2021.8.18 2025.5.1 更新

グミが「現代人にやさしい菓子」として支持される生理学的背景とは。今後『流行する菓子』の方向性を咀嚼・嚥下・唾液量の観点から分析すると

どのような商品が、どの世代(ターゲット)に響くのか分かります。それは抽象的な判断でなくデータで明確なものです。経験25年のスイーツコンサルタントが分かりやすくまとめてお伝えします。

目次

1 咀嚼(かむ力・かみ心地)の観点

若年層を中心に、現代人の咀嚼力 (咬合力) の低下
・軟食化した食事
・歯列矯正・抜歯の増加
グミはゼラチンで硬さが調整でき世代別、目的別のかたさを付与させやすい(世代別で顕著な咀嚼能のばらつきの報告あり) グミは必要咬合力がクッキーの約1/3-1/5程度と、ほどよい弾性で「噛めた」という満足感は残しつつ、疲労や痛みにはつながりにくい。

“ながら食べ”に便利。仕事中のスナック化、粘弾性が高く破片が飛ばない(ポロポロ食べカスがこぼれない)ので PC・スマホを汚さず片手で食べられる。

2 嚥下(飲み込みやすさ、安全性)の観点

グミは固形食品の誤嚥リスク(特に高齢者・子ども)の噛みやすく飲み込みやすい現代的テクスチャに整えやすい商品。
1) 唾液で表層が滑らかに被膜化し、
2) かみ砕いても細かく砕けず一体化しやすい
結果として気管へのバラけ流入を抑え、安全に嚥下できる。

短時間でエネルギー・機能性を摂でき、ビタミン・鉄・プロテイン入りの「機能性グミ」は、嚥下負荷が高い錠剤やカプセルの代替として広がりを見せている。

3 唾液量(ドライマウス・味覚)の観点

現代人はストレス・口呼吸・加齢による唾液分泌低下が見られる。ほどよいグミの咀嚼刺激+酸味フレーバーにより唾液分泌量の増加。唾液には①自浄作用、②pH 緩衝、③味物質溶解などの働きがあり、口腔衛生と味覚満足度を向上。

グミは風味を長く維持しやすく、唾液に溶解しながら持続的に味覚受容体を刺激する。

流行る菓子を『生理学的に分析』・まとめ

「弱くても噛めて、噛んだ実感はある」──咀嚼力の二極化にぴったり合う硬さ設定

「砕け散らず、つるんと飲み込める」──嚥下機能に不安がある層にも安心

「噛むほどに唾液が出る」──ドライマウス予防・味覚の満足度向上

こうした“ほどほどの弾力”と“口腔生理に寄り添う機能”が、現代人のライフスタイルと咀嚼・嚥下特性に合致してグミ人気を押し上げていると考えられます。ターゲット別にゼラチン濃度を変えた硬さバリエーション(キッズ、オフィスワーカー、シニアトレーニング用)
など、機能性を持たせやすいです。

酸味バランサーとしてクエン酸 を加え、唾液分泌促進と保存性を両立したり、**嚥下指標(JSDT 食品形態分類=食べ物の形態と液体とろみを 7 段階で統一表記する国内標準)**をパッケージに明示すれば介護食市場でも優位性を示せます。

〇〇はどうしよう…等と「悩む時間」を費やしても「行動」が、どんどん遅れてしまいます。それより必要な行動に絞って戦略通りに効率良く動く方が確実に結果が出ます。

うーん…これを聞くべきか…?迷った時点でLINEから、お気軽にご相談下さい(月江直通で自動情報配信ではございません)

◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。3年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)25年在籍している珍獣です。スイーツ技術コンサルタントとして活動中。

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