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【パフェメニュー開発の裏側】コンセプト・原価・オペレーションが成立

2018.4.3 2025.4.28 更新
「カフェを開業したい」「既存店に新作メニューを出したい」今回は【パフェ商品開発】を題材に「何から手をつけていいか分からない」という開業者の方へ、現場目線で役立つ内容を経験25年超えのスイーツ技術コンサルタントが分かりやすくまとめてお伝えします。

目次

1. 商品開発の出発点は「コンセプトの言語化」

クライアントさまは当初、猫をモチーフにした「アメリカンショートヘアのような白・黒・グレーの3色パフェを作りたい」というイメージをお持ちでした。※案件の守秘義務の関係上、少し内容をぼかしてご紹介します。

ここで多くの開業者がやってしまう失敗が「可食部主義」「見た目」「味」だけでこだわりを打ち出し、メニューを決めてしまうことです。結果として、原価が跳ね上がる、オペレーションが複雑すぎて疲弊する、ロスが多い——といった事態を後々に招きます。

当方が、まず行うのは「ヒアリング問診」と「シミュレーション言語化」の2つのプロセスです。商品開発のご相談をいただいた際、いきなりレシピや盛り付けの話には入りません。これは多くのメニュー開発者が省略する工程ですが、可食部だけを考えても上手くいきません。ヒアリングは商品開発の成否を左右する最重要パートだと考えています。

ヒアリング問診とは
医師の問診と同じ発想で、依頼者ご本人も気づいていない重要ポイントを引き出す工程です。具体的には30〜50項目を投げかけます。

問診でお聞きすること

1日の想定客数・ピーク時間帯・客単価
スタッフ体制(ワンオペ/分業/繁忙時の応援要否)
厨房スペース、冷蔵庫容量、揃っている什器
食材の仕入れルート・配送頻度・冷凍冷蔵在庫許容量
近隣の競合店、ターゲット客層、立地特性
「絶対やりたいこと」「やりたくないこと」
開業時の運転資金
ご本人のスイーツ製造スキル・衛生管理経験…など

これらを言語化して並べ、俯瞰することで、「やりたい商品」と「実現可能な商品」のギャップが可視化します。多くの依頼者さんは、問診の段階で「自分が見えていなかった盲点」に気づかれハッとされるんです。

実際、今回のクライアント様も当初は「グラスは15個用意します」とおっしゃっていましたが、問診で1日の想定回転数を伺うと、提供→洗浄乾燥→冷却の工程を踏まえると最低45個、洗い替えや破損リスクも含めると理想60個必要だと判明しました。これはシミュレーション言語化から逆算した数字です。

シミュレーション言語化とは

問診で集めた情報を元に、開業後1日の動きを文章で再現する作業です。たとえば「11:30に最初のお客様が来店、Aパフェのオーダーが入ったとき、ワンオペで何分で提供できるか?」などと言語化します。

11:30 ご来店、メニュー提示
11:33 オーダー受領
11:35 パフェ盛り付け開始(冷蔵庫から仕込み済を出す)
11:36 仕上げのホイップを絞り袋で注入
11:37 バニラアイス盛り付け
11:38 提供
11:39 次オーダー対応開始……

言語化を進めると「洗い物を一時的に置く場所がない」「会計に対応する人数が足りない」「食器を破損した場合の予備は?」——どれも開店してから気づいたら面倒になる課題です。紙の上で1日分を言語化しておくことで、「想定外の事態」を「想定内」に変換できるのです。

メニュー開発のコツ⓪:レシピを考える前に、オペレーションを想定する

メニュー開発最大のコツ

はじめから【プレーン主力商品】開発の前段階で、今後「シリーズ化する前提」で考案します。またワンオペや未経験スタッフを活用するケースにおいては「市販品をフル活用」するのが正解な場合もあります。

個人開業者ほど「全部手作り」にこだわりがちですが、全工程を内製すると必ずどこかで疲弊します。今回のパフェも、当初は「黒ごまプリンを手作り」「オリジナルマスカルポーネクリームを毎朝仕込み」という方向性でしたが、オペレーションから考えると「市販品で代替できる工程」を増す提案をさせてもらいました。

最終的な構成(下から順):

各種ソース類
業務用大容量ゼリー、プリン類
冷凍ホイップクリーム
市販の焼菓子、シリアル系素材
パンに塗るスプレッド系クリーム
業務用アイスクリーム

全部でなく一部にこだわる

「自家製」にこだわったのは飾りに使うメレンゲ製作です。これだけで「店ならでは感」は十分に演出できます。

原価試算: 1杯あたりの素材原価は約300〜400円。販売単価1,500円で原価率20〜27%——デザートとしては理想的な水準です。「全部手作り」は美徳とは限らないです。

ワンオペを成立させるなら「共通素材70%設計」

ワンオペカフェで重要なポイントが素材の共通化です。たとえば3種類のパフェを作るとき、それぞれ別の素材を使うと冷蔵庫管理が大変になり、廃棄ロスの膨大、提供時間を要する——現場が疲弊してしまいクレームアクシデントの元になります。

基本的には「共通素材70%のルール」です。3種のパフェすべてに、ホイップクリーム・パンナコッタ・バニラアイスなど70%の素材を共通使用し、残り30%だけを「茶系:キャラメル・ビスケット」「白×ピンク:いちご・マシュマロ」のように差別化しメニュー構成します。すると

仕込み時間が約3分の1に短縮
食材廃棄ロスが大幅減
新人スタッフでも提供導線を覚えやすい
発注がラク

提供導線とSNS映えの両立
ここでポイントなのが店オリジナルのメレンゲです。湿気で溶けるため必ず提供直前に追加しなければなりませんが、この「最後のひと手間」が逆にライブ感を生み、SNS動画映えにも繋がります。お客様がメレンゲをスプーンで崩していく動画は、Instagramリールとの相性が抜群です。

メニュー開発は前提を整理する事が大切です。

市販品を上手に使い、自家製は「演出ポイント」に集中
共通素材70%を維持しつつメニュー展開する
提供導線そのものを体験価値に変える工夫をする

この3点を押さえるだけで、原価・オペレーション・SNS集客のすべてが噛み合ったメニュー設計が可能になります。

パフェメニュー、カフェメニュー開発・まとめ

「自分の店舗にも新作パフェを導入したい」「カフェ開業に向けてメニュー全体を設計してほしい」いつでもご相談をお受けしております。レシピ製作・試作代行はもちろん、原価計算・オペレーション設計までセットでサポートいたします。

〇〇はどうしよう等と「悩む時間」を費やしても「行動」が、どんどん遅れてしまいます。それより必要な行動に絞って戦略通りに効率良く動く方が確実に結果が出ます。

うーん、これを聞くべきか…?迷った時点でLINEから、お気軽にご相談下さい(月江直通で自動情報配信ではございません)

◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。3年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)25年超えで在籍している珍獣です。スイーツ技術コンサルタントとして活動中。

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