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プロが語る「レシピ納品サービス」について知っていただきたいこと
プロが語る「レシピ納品サービス」を検討する際に知ってほしい注意点について。勘違いされやすいのが「美味しいレシピさえあれば誰でも同じ味になる」だからレシピを下さい、と言われる事が多いのですが実際は、そうではありません。
数多くのプロ現場を見てきた私たちは「レシピとは設計図」だと考えます。経験25年のスイーツ技術コンサルタントが分かりやすくまとめてお伝えします。
目次
- ○ レシピトラブルを未然に防ぐには
- ○ “完成品”を得るのではなく“設計図”を得る
- ○ 技術力に合ったレシピを選ぶ
- ○ レシピ通りにやっても上手くいかないのは何故?
- ○ オリジナルレシピ納品サービス・まとめ
レシピトラブルを未然に防ぐには
誰かにレシピ開発を頼もうか、そう検討されている方へ。事前に以下の3点をチェックいただくことで、レシピジプシー(上手くいかずに依頼先を転々と変える)になるのを防ぐことができます。
1、ご自身の製造技術レベルにあったレシピしか選べません。音楽未経験者がいきなり難しい楽曲に挑戦できないように、難しいレシピに挑戦するには技術力を上げるための鍛錬(技術研修)に申し込む必要があります。
2、レシピの再現には指定設備が要ることがあります。当方の場合では基本的に、お手持ちの機材で作れるレシピを構築しますが、こだわったご要望に応じるには必要設備(熱源・型類など)は購入いただくことになります。
3、思うような成果が出ない時「レシピが悪い」と原因を外部に決めつけず(実際には技術力不足であることがほとんど)商品化に向けて依頼先とチーム一丸となって動く意識を持つこと。
オリジナルレシピの納品サービスは「完成品をポンッと」得られるものではありません。それはジムの筋トレでインストラクターから「筋肉」をポンッと授けてもらえないのと同じですし、上手く演奏ができないからと言って「この楽曲がおかしいんじゃないの!?」と譜面に言い掛かりを付けないのと一緒です。
レシピ通りにお菓子を作れるようになるには、ご自身でトレーニングを続けるしかありません。
ちなみに当方では業界トップクラスの高・商品化率を誇ります。未経験から商品化までを丁寧に伴走する「商品化」に特化したメニュー開発を実施しています。
“完成品”を得るのではなく“設計図”を得る
スイーツはレシピさえ得られればOK!というものではありません。たとえば、建築なら「間取り図」を入手しても建物物自体が手に入ったのではない、というのと一緒です。図面が読めて、建築技術があって、使う材料の質を見極めて、施工環境の対応力次第で完成度(結果)は大きく変わります。図面が優れているかどうか以外の問題です。
また音楽に喩えるなら「譜面」で、やはり読めないと話にならないですし、演奏者の技量、楽器のスペック、などで完成度は大きく変わります。
スイーツのレシピもまさにそれと同じ。プロのレシピは一般のレシピに比べ「読むのに知識」が必要です。火加減、混ぜ方、タイミングで驚くほど結果が変わってしまいます。
そこでありがちなのが上手く完成できないと「レシピが悪い!」と責任を外部に押し付ける問題です。そのままの認識でいるといつまで経っても、誰に頼んでも商品化できることはありませんので、くれぐれもご注意下さい。
技術力に合ったレシピを選ぶ
レシピには、それぞれ「難易度」があります。あれが作りたい、これが作りたい、と希望だけで製造難易度を無視して進めることはできません。現状の技術力に合わせてレシピ構築するか、レシピに合わせて技量をUPするか、どちらか選択する必要があります。
ちなみに当サービスは
◆デモンストレーション(実演)
◆技術レベルに合わせたレシピや手順の作り込み、現場スタッフへの落とし込み
◆オンライン遠隔指導によるフィードバック、など
「成功(商品化)までサポートする」かたちです。それぞれ時間枠に応じた有償でのご案内となります(要見積り)
レシピ通りにやっても上手くいかないのは何故?
それにはいくつか理由が考えられます。
◆使用している道具や機械の性能の差
◆材料の選び方や温度管理の違い
◆技術的な未習得項目(泡立ての見極めなど)
◆理解不足によるプロセスのズレ
プロ向けのレシピほど「なぜそうするのか?」という理由を細かく理解していないと再現が難しくなります。記載のない些細な事でも全てにおいて重要な意味があり、単純な材料分量の問題ではありません。
その証拠に秘伝のレシピを見られた(材料分量を知られた)としても99%の人には同じ物を再現できません。例えば、有名作曲家の譜面を入手しても、読める人も、再現できる人も少ないですし、仮にいたとしても表現力やセンスは人それぞれ個性が出るからです。
オリジナルレシピ納品サービス・まとめ
最後に──“良いレシピ納品”とは、単に数字データの納品ではなく、「なぜそうするのか?」まで伝える用意があること、また納品先で“育ててもらえるレシピ”であるべきだと私たちは考えています。
ご依頼者さまと、これから楽しくスイーツづくりの旅ができることを願っています。〇〇はどうしよう…等と「悩む時間」を費やしても「行動」が、どんどん遅れてしまいます。それより必要な行動に絞って戦略通りに効率良く動く方が確実に結果が出ます。
うーん…これを聞くべきか…?迷った時点でLINEから、お気軽にご相談下さい(月江直通で自動情報配信ではございません)
◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。3年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)25年在籍している珍獣です。スイーツ技術コンサルタントとして活動中。
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