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ケーキ生地の【比重】の計り方・手順や必要な道具について
ケーキ生地の【比重】の計り方・その手順と必要な道具、適正数値の目安や、適性範囲外の対処法について。比重を管理すると製品の仕上がりをコントロールできるようになります。
特に製造者が複数人になるケースでは一定品質を保つため必要な作業といえます。経験25年のスイーツ技術コンサルタントが分かりやすく、まとめてお伝えします。
目次
スポンジケーキの比重の計り方
ここではスポンジケーキ(起泡性生地)の生地について記します。主に比重を取るのは【粉合わせ後】(型に流す前)の1回が多いです。
念を入れるなら【粉合わせ前と後】で2回比重を計ることで、泡立ての状態や製品の仕上がりを予測する(揃える)ことができます。一般的には生地の比重が 0.45~0.55 の範囲が理想的とされます。
この時、粉合わせ前の生地は軽く、粉合わせ後は重くなることをイメージしながら作業します。
📌 必要な道具
✅ 計量カップ(500ml程度の容量)
✅ はかり
✅ 擦り切りへら
🔹測定手順
① はかりに計量カップを乗せ、ゼロリセット(風袋引き) する。もしくは風袋引き機能がない場合、計量カップの重さ(g)を記録 する
② 計量カップに生地を入れ、ヘラでそっと擦り切る
⚠ 注意点:この時、生地を ゆっくり流し入れトントン叩かない(空気が抜けるため)
カップを使った測定法
③ 計量カップごと生地の重さを計って記録
※風袋引き機能がない場合:カップ重量を差し引く
④ いよいよ比重を計算します
📌 比重 = 生地の重さ(g) ÷ 生地の体積(mL)
例:
350g ÷ 500mL = 0.7(比重 0.7 → 重すぎる)
250g ÷ 500mL = 0.5(比重 0.5 → 理想的)
200g ÷ 500mL = 0.4(比重 0.4 → 軽すぎる)
🔹比重の目安
✅ 0.45~0.55 → 理想的な範囲(軽く、ふんわりした仕上がり)
✅ 0.40以下 → 泡が入りすぎ・混ぜ不足(焼成時に縮みやすい)
✅ 0.60以上 → 泡立て不足・混ぜすぎ(目が詰まった食感になる)
比重が理想範囲でない場合の対策
比重が重すぎる、軽すぎるの2択です
1、重すぎる(0.55以上) 2、軽すぎる(0.45以下)
重すぎ生地の原因の1つは【泡立て不足】 → 次回から、リボン状に垂れる生地状態まで、しっかり泡立てます。これを未然に防ぐには【粉合わせ前の比重も計る】事で「泡立て具合が適正かどうか」のチェックができます
✅粉合わせ前では比重を軽めに泡立てます(粉を入れた後には、さらに比重が上がり目の詰まったスポンジになる)
重すぎ原因2つ目は【混ぜすぎ】 → 粉を入れた後に気泡をつぶしすぎているので、次回からもう少し早めに比重をチェックする
比重が軽すぎる場合は【泡立てすぎ】 → ミキサーの低速でしばらく回すと余分な気泡が抜けます。次回から粉合わせ前でも比重を取って下さい
もしくは【混ぜ不足】 → カップの生地を戻して全体を追加で合わせ、再度比重を確認
▷スイーツ商品開発・試作時の生地(焼成前段階)の良し悪しの見極め方(←タップすると開きます)
補足:比重測定の注意点
✅ 計量カップに トントンと叩いて詰めない(自然に流し込む)
✅ 比重の違いで焼き上がりが変わるので、何度も測ってレシピの最適な比重を見つける
比重を取ることで「この状態の生地なら焼き上がりがどうなるか?」が予測しやすくなります。起泡性生地の安定した仕上がりには 比重管理がとても重要ですので、ぜひ比重の取り方をマスターして下さい。
生地比重の取り方・まとめ
スポンジケーキの比重測定は、粉合わせ後に行うのが基本です。適正範囲(数値0.45~0.55)を保つことで、ふんわりとした理想的な一定の仕上がりを実現できます。
慎重を期すなら「粉合わせ前の比重測定」も有効です。いすれにしても数値に頼らず、ご自身の目で生地状態を見極めるための目安として、お考え下さい。人間の感覚は日々の訓練で研ぎ澄ませば機械以上に正確で精度の高いものなのです。
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◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。3年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)25年在籍している珍獣です。スイーツ技術コンサルタントとして活動中。
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