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スイーツ商品開発・生地(焼成前段階)の良し悪しの見極め方
スイーツ試作時の【生地(焼成前段階)の見極め】について。実は【生地】というのは焼く前の見た目で、おおよそ【焼いた後の状態】を推測することが可能です。
生地状態が悪いのに、焼いてみたら素晴らしい仕上がりだった!という事は残念ながら、ありません。経験25年のスイーツ技術コンサルタントが分かりやすく、まとめてお伝えします。
目次
生地の分類
まず【生地】には様々な種類があります。パン生地のような弾力のあるもの。クレープのような流動性のあるもの。スポンジケーキのような起泡しフンワリしたもの。
どの生地を見極めるかによって方法は異なります。ここではスポンジケーキのような起泡性生地の見極め方法を確認してみましょう。
スポンジケーキ生地の見極め方法
1. 比重(生地の軽さ・重さ)
生地の比重を確認する方法。(具体的内容は別記事参照)気泡の含み具合で仕上がりが予測できます。
軽すぎる場合 → 気泡が入りすぎて焼成時に形崩れしやすい
重すぎる場合 → 食感がかたくなる可能性
※ 起泡生地は比重を測り、適正数値内におさめることで焼き上がりを揃えます
2. 気泡(キメ)の均一性
人間のお肌と同じで、生地の表面を観察すると、泡の大きさや分布(キメ)が揃っているのが良い状態です。理想は小さな気泡が均一に分布している状態です。
大きな泡が点在している → 乳化不足、または混ぜ方が不十分
3. 乳化状態(ツヤ・粘度)
バターや油脂類を含む生地では乳化状態をチェックします。ツヤがあり、なめらかで均一な生地は乳化が成功していて、焼成後もしっとりし日持ちがします。
分離している(油が浮いている、ダマがある、ザラザラしている) → 乳化不足で焼き縮み・目詰まりの原因に
4. 粘度(生地の流れ方)
ボウルやヘラから生地を落としたときの流れ方や流れた跡の残存具合で状態を判断します。
【生地のかたさ5段階】
1垂らした生地がゆすらなくても、すぐ平になる
2ゆっくり平になる
3振動を与えれば平になる
4振動を与えても跡が少し残る
5形をそのまま留めている
スポンジケーキ → リボン状に流れ、すぐに消えずに跡が残るのが理想
クレープやフィナンシェ → 滑らかに流れるが、水っぽくない状態
5. 香り(材料のバランス)
焼く前の生地の香りも大切です。しっかり乳化・混合できていると、材料の香りがまとまって感じられます
6. 生地の温度
仕込み時の生地温度も、生地の状態に大きく影響しますのでデータ取りします
生地温度が低すぎると乳化不良、起泡不足、高すぎるとダレる、キメが粗くなる。
焼成前の生地の見極め・まとめ
流動状の生地の場合は、
✅ 比重が適正か
✅ 気泡が均一か
✅ ツヤがあり、乳化が成功しているか
✅ 適度な粘度があるか
✅ 香りに違和感がないか
✅ 仕込み温度が適切か
これらのポイントを意識すると、焼く前の生地の良し悪しを見極めやすくなります。LINEからご相談内容をお聞かせ願います。(月江直通で自動情報配信ではございません)
◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。3年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)25年在籍している珍獣です。スイーツ技術コンサルタントとして活動中。
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