Blog ツキ・ブログ

体験入学受付中

HOME // ツキ・ブログ // お菓子の商品開発で知らないと大失敗する1つの重要な知識&2つの心得とは

Blog 読むとツキがあがるブログ

CATEGORY


商品開発

お菓子の商品開発で知らないと大失敗する1つの重要な知識&2つの心得とは

2017.3.5 2020.9.24 2022.7.8 202412.1 更新

お菓子の商品開発で知らないと大失敗する1つの重要な知識は「レシピ構成には専門家がいる」こと。パティシエなら誰でもいいのではありません。

加えて2点の心得とは①レシピを勝手にアレンジしない②開発スタート時から生産数を考慮する、です。経験20年超えのスイーツコンサルタントが分かりやすくまとめてご案内します。

【▽パティシエと直接取引して行き違いになったケース】



▲パティシエさんと話が通じない!何とかして!とご相談が..専門知識が必要な直接取引は難度を極めます

目次

商用レシピは専門家に依頼するもの

△商品化には可食部以外の知識も必要
いわゆる「商用レシピ(営利用レシピ)」とは「限られた専門家」が作ります。どこに頼めばいいのか迷った時、近くの安く頼める人(お知り合いのパティシエ・料理人など)に依頼すると、ほぼ失敗します。

通常パティシエは「レシピ通り」に作るのが仕事で「レシピ自体」は創れません。例えば、歌手の全員がシンガーソングライターにはなれないように。

パティシエの中でもレシピが作れる人物は全体の1%程度と極少数です(経験10年を要します)

・商用レシピ作成したり
・極小ロットで試作代行を実施すること
は高度な知識が必要で「お菓子が作れる人」なら誰でもいい!という考えだと失敗するのでご注意下さい。

仮に1%の(レシピが作れる)パティシエを見つけても、依頼者側に専門知識が無い場合「門前払い」です。当方にお問い合わせ下さる中にも、他所で体よく断られたな…という案件は多いです。

レシピ構築の専門家が少ない分、本腰を入れた(売れる)スイーツ開発費用は「優秀な人材を1名雇う」程度の金銭的準備は必要です。

▷レシピ構築
▷初期の試作代行
▷レシピ修正
▷OEM先落とし込み
▷商品化
▷シリーズ化
▷アップデート継続…商品を育てる道のりは「こそだて」と同じです。「生んで終わり」ではありません。

専門知識が無いと見積りすら「門前払い」です

△レシピ構築は、住宅建築と似ている
例えば、住宅購入の際「建売(定型)住宅」と「注文(カスタマイズ)住宅」があり、「注文」の方が高価格で…と説明した際「何で?どうして?」(基礎知識ゼロ)ですと見積り解説にめちゃくちゃ時間がかかります。

しかし求められる作業内容が分からないと正確な見積りは出せません。当方では私が窓口となりベテランパティシエとの橋渡しを行うため(共に経験20年以上)スピード感ある分かりやすい見積り解説と確かなサービスをお約束します。

①商用レシピは勝手にアレンジしない

△レシピは都合良く解釈できません
菓子のレシピは、食事のレシピと違い「建築」と似た要素があります。ねじ1本でも変わりがきかない場合が多いです。例えば、レシピに「金属型」と記載があり、現場で代用の「シリコン型」を使った場合。

レシピの専門家がわざわざ「型」を指定する際は勿論意味があります。「シリコン型」と金属型は「熱伝導率」が違います。それを都合良く解釈して「まあ近いイメージでできるだろう」と思ってもそうなりません…型も使うオーブンも両方違うと、そもそも全く別物になってしまいます。レシピを再現できません。

例えば、名店の炭火「焼き鳥」をご家庭のフライパンで再現できないように。『秘伝のタレ』と使う『鶏』が同じでも熱源が違えばダメですよね。同じに物にはならない。

そこでプロがレシピを作り込むことで、その通りに実施いただければ再現度が高まるように設計しています。都合良く解釈、アレンジするとどうなるか先をご覧下さい。

適当にアレンジして失敗した事例

△「金属型」の指示と違う「シリコン型」を使用
「熱伝導率」という部分を無視して残念な仕上がりに…(爆発しています)
 
金属型よりシリコン型の方が安価だし良いよね!と工夫いただいた事がアダになったパターンです。アレンジにより試作は失敗に終わります。

指示通りに実施し成功した事例

△指定の金属型でキレイに仕上がった
対して、しっかり商品化できた事例。レシピを再現できない時は、知らず知らずのうちにアレンジを加えているケースがほとんどです…(似てるから良いだろう!のように)

専門家が熱源や、型や、材料を指定している時は「再現性を高める」狙いが確実にあるので、そこは要注意です。これくらいいいだろう、近い感じに出来上がるだろう、は通用しないのが製菓の難しいところなのです。(ですので1級建築士のように、1級菓子製造技能士という国家資格があります)

菓子レシピは「スイーツの設計図」なので数学(科学)で成り立っていて、数学には正解と不正解が確実にあります。専門家が「これはやっちゃダメ」と言う時は明確に答えが見えているので乗っかっていただくのがお勧めです。

商用レシピが無事商品化された事例

△凍ったままが美味しい生米粉カヌレ
2つの企業さま(同等の設備と人材スペックをお持ちです)があり、レシピをアレンジしたチームは商品化「失敗」。レシピを忠実に守ったチームは商品化に「成功」しました。

②生産数の規模を熟考してからスタート

△先のフレーバー展開を意識した試作
開発当初から「生産数」を意識した方がいいです。1日数万個製造なのか、100個なのか。仮にロットが大きくなるほど「経験」がないと想定すら難しくなります。例えば「カレーライス」を4人分作るのは想像できても、4万人分作るのは「何から何まで違う」ので準備段階から悩むはずです。

マザースイーツのレシピは、プロがココ(小→大ロット移行)をスムーズに作り込んでいます。オーブン設備の差、作業場の温度差でも、仕上がりが変わってくるので、そこも加味してレシピコントロールしています。 

プロは10年先を読んでレシピを創る

「未経験のアルバイトスタッフがA作業場で製造すると、生地完成に○○分はかかるよなぁ…」とか、レシピ構築には本当に細部まで想定検証を繰り返すのですが、そういったテスト(ヒアリング)時間が面談で不足するようであれば、レシピはひとまず「難易度低め」にしておくのが得策です。

マザースイーツでは「個人営業のカフェ」から「商社」「一部上場企業」まで開発に関わらせてもらい、初期段階の小ロット→大ロット製造は、本当に技術(経験値)が必要だと痛感しています。将来、大量生産狙いならば、その知識を持つスタッフをチームに入れておくべきだと思います。

製造スタッフの技術力や、設備や器具は勿論のこと、世の中動きや包装・箱デザインまで、レシピ専門家は全てを上手にレシピに盛り込んでいきます。これは「経験値」の話なので「優秀な専門家を入れる」というのが答えです。

スイーツ開発3つのポイント・まとめ

実はスイーツの商品開発依頼は、かなりハードルが高いです。専門家の人数は少ないですし、それなりに知識がないと希望のスイーツイメージを伝えることも難しい。

当方ではこそだて世代のパティシエが、もっとカジュアルに開発に着手いただけるよう、費用を抑え・丁寧な解説付きで、オリジナルスイーツの「商品化」アシストを行います。
・こそだて世代のパティシエチームが
・プロ目線で我が子に本当に食べさせたい
・添加物を極力避け安心で美味しい
・シンプルで上質なスイーツ
をご提案しています。LINEからご相談内容をお聞かせ願います。
自動情報配信ではございませんで、ご登録だけですと何も流れてきません。ご覧いただいた記事の内容についてなど、ぜひコメントをお願いします(^.^)

◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。

商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。10年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)25年在籍している珍獣です。菓子と現場の人づくりスイーツコンサルタント。

つきえ経歴(←タップしてご覧下さい)

ブログ一覧から「商品開発含む 全500記事」を閲覧できます。  ↓ ↓ ↓

ブログ一覧