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ナッペ絞り極意

プロパティシエが多用する基本のクリーム絞りの型・10選

2016.03.18 2021.04.02 2024.8.29 更新

プロパティシエが多用する基本のクリーム絞り10選。ステップアップ順に難易度表記と解説付き。1から10まで順に辿ってもらうことで理解が深まります。

また経験者にとっては「技術指導のテキスト」として、ご活用いただけます。クリーム絞りの全体像を経験20年超えのスイーツ技術コンサルタントが分かりやすくまとめてお伝えします。

目次

【基本1】棒絞り

キーワード【安定・一定・置いていく】
クリーム絞りにおいて、不安定でOKなケースは存在しません。どんな絞りであっても、大きさ・形・距離など「一定」を保つ技術は無視できません。

絞りが一定であることは「プロらしい美しさ」の秘訣です。この「棒絞り」で徹底的に「安定」を強化します。早く正確なクリーム絞り技術を身につけるには、まず棒絞りからマスターします。

【基本2】ローズバッド(バラのつぼみの形)

キーワード【回転・移動・動き】
上記ステップ1で「安定」を身に付けたら、次は「回転」をトレーニングします。棒絞りを回転させたものが「ローズバッド」です。※ローズバッドとは薔薇のつぼみという意味 ここで大きさや形がばらつく、という場合は、棒絞りが徹底できていない証です。

【基本3】シェル(牡蠣の貝殻の形)

キーワード【太らせ・強弱・メリハリ】
ステップ1「安定」、2で「回転」、次は「太らせ」です。これが想像より難しい。口金の口径以上にクリームを「太く絞る」というのは慣れるまで大変な作業です。細く絞るよりも太く絞るのが圧倒的に技術は上です。

口金の口径と比べ「太さ2倍(横から確認して)高さも2倍」に絞れるのがプロの技。太さが出せる=強弱が付けられる(メリハリ)へ繋がります。※シェルとは牡蠣の貝殻を指しています

ステップ123が習得できれば、続きの技術は全て1~3の組み合わせ技となります。

★ ドット絞り(難易度1)

▷画像:FC2みみゆこさんブログ引用
私が20代半ばで担当させてもらった数字型ケーキにはドット絞りが多用されていました。画像の「1・2・5・9」の縁取りと「7」の中央部分がドット技術です。

ステップ1の棒絞りで鍛錬した「安定・一定」が反映される技術です。ドット1つ1つの大きさ・高さが揃うと非常に美しく見える一方、不揃いだとガチャガチャして見栄えが悪くなります。

★ シュー(ドーム)絞り

プロの現場では「シュー生地」を絞る時に代表される技術。シュー生地でドーム絞りをした際の難所は、焼くと大きさのバラツキが如実に現れる点(そこで絞り技術のレベルを痛感する)

ドーム絞りはステップ1(棒絞り)で鍛錬した「一定に保つ技術」とステップ3(シェル)で習得した「太らせる技術」を合体させた組み合わせ技です。

★★ フリル絞り(難易度2)

ドールケーキで使われる「フリル絞り」はバラの口金を使います。フリルの角度や表情を自由自在に操るには、基本原理を学ぶ必要があります。ステップ1と2の組み合わせ技。

★★ バラの花絞り

名前通りバラの口金を使用し花形に絞ります。バラ絞りの最初のチェックポイントは「クリームを立てて絞る」ができるか?否かです。バラ口金の口径は扁平で、きしめん状にクリームが薄く出てきます。これを垂直に立てた状態で絞れるか?

この第1段階を通過しない限り、バラ絞りは習得できません。以降の練習方法詳細は以下の記事から、ご覧いただけます。

★★ モンブラン絞り

クリームを置く、という感覚が非常に重要な絞りです。そして「クリームペースト本体」の仕込みに気を配れるか(ダマが無いこと)がキレイな絞り目の秘訣でもあります。ペーストへ適度に空気を含ませることで各段に状態が良くなる絞りです。

また渦巻き状に絞り上げるデザインは難易度が高く、プロからの質問が最も多い絞りです。詳細は以下の記事へ。

★★ パイピング絞り

「パイピング」を絞り技術項目の1つに括らせてもらいました。パイピングという名称が付けられている以上、独立したジャンルのように感じますが通常のクリーム絞りの「ミニチュア版」ですので特別なことはありません。

絞りの基本ができていれば、単に「サイズが小さくなった」だけです。特に細かい作業が得意な方には強みが発揮できます。

ケーキに添えるプレートや、デザート皿へメッセージを書くのに使われる技術ですが、いきなり文字練習するよりも、これからご紹介する「6つの工程」を順に踏んだ方が基礎土台をしっかり理解できます。

練習される方は【トレーニングシート】のプレゼントと、使い方解説もあるので以下記事をご覧下さい。

★★ サントノーレ口金の絞り

▷画像引用:cottaサイト
サントノレもバラ口金と同様「クリームを立てられる」かを確認します。バラより口径に厚みがあるためクリームを立てるのは容易だと思います。「クリームを立てる」練習をするならサントノーレから始めるとスムーズです。

最もスピーディーに絞り出しできる(ケーキの余白面積を埋められる)口金なので、クリスマスケーキをはじめ、大量生産時に採用される確率の高い絞りです。

★★★ ウェディングケーキ(難易度3)

これまでの技術を全て詰め込んだ絞りの集大成とも言えるケーキです。サイズが大きいこと・ケーキを積み上げること・側面に絞りを入れること、といった新しい技術も必要で難易度高めです。

★★★ 側面絞り

ウェディングケーキやお祝いケーキなど、豪華にしたい時に用いる技術です。ケーキ上面に絞るより、ケーキ側面に絞る方が難易度は高いです(ナッペも側面がより難しいのと同様)可能であれば画像のようにケーキに傾斜をつけると、絞り面が見えて絞りやすくなります。

★★★ ぺタルケーキ

▶画像:smashcake.jpインスタ引用
絞り技術とは別枠で「パレットナイフだけ」でデコレーションする技術。難易度高めに設定しましたが慣れてしまえば、クリームを付ける→「ナイフで擦る」の繰り返しです。手間がかかるので現場では見かけない映え世界のデコレーションです。

古典的な技術の組み合わせで、斬新な新しいデコレーションに仕立てた好例として挙げました。他にも道具のバリエーション次第で「これ、どうやったの?!」という未知なるデコレーションを無限に編み出すことが可能です。

プロのクリーム絞り無限アレンジ法

△2級技能検定の絞り(実技国家資格の課題)
実はクリーム絞りの基本は【3つ】だけ。先に述べたステップ1~3の棒絞り・ローズバッド・シェルができれば、後はその組み合わせでアレンジはいくらでもできます(ここでは解説のために絞り技術を10選んでご紹介しました)

ステップ1+2
ステップ1+3
ステップ1+2+3
ステップ2+3

こうしてみると4パターンだけですが口金を変えると、あたかも新しいデザインのように見せられるのでアレンジが拡がるのです。

つまり基本を体系的に学べば、後からいくらでもオリジナルデザインが作れるようになります。

マスターしたいクリーム絞り10選・まとめ

クリーム絞りに使われる技術は至ってシンプル。基礎は3つだけマスターすれば良いのですし、後はそれらを組み合わせたり、口金違いで同じ技術の使い回しですからアッサリ技術習得が完了します。

はじめは難しそうに見えた絞りも仕組みが読めたら「なんだ、そんなことか」と東京二子玉川キッチンの受講者さんも拍子抜けしてしまうんです。20時間コースにご参加いただいた方は、皆さん習得する側から、職場内で指導する立場になられます。

お気軽にLINEからご相談下さい(月江直通で自動情報配信ではございません)


◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します

パティシエを続ける方を応援しています。10年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)25年在籍している珍獣です

つきえ経歴(←タップしてご覧下さい)スイーツ技術コンサルタント

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