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売れる菓子の特長 商品開発最前線 美味しさアピールはもう古い
売れる菓子の特長と商品開発の最前線とは? 傾向として「美味しさ推し」はもう時代遅れ。美味しいだけでは菓子は売れません。それ以外の「購買理由」の設定が非常に重要です。
周囲を巻き込んだり、該当商品の物語を起こしたり…時代に合う商品開発のコツをご紹介。経験20年超えのスイーツコンサルタントが分かりやすくご案内します。
目次
「いいお菓子」だから売れるとは限らない
長く菓子業界に関わらせていただいて「いいお菓子」を作り出すことは、私達にとって、もう簡単になりました(当方には腕のいいプロ集団が控えております)
だた「いいお菓子」なら売れるとは限りません。むしろ売れない事の方が多く「いいお菓子」作りと「売れる菓子」作りは全く別の作業だと考えます。
喩えるなら
「いい菓子」作り=「出産」
「売れる菓子」作り=「育児」です。
出産して終了!はご法度で、その後に育てる工程があります。商品も誕生して「ハイ!終了」でなく、継続して育てる作業は欠かせません(でないと売れません)
出産後、自動で「自立したこども」が育ってくれないように、お菓子も、どんなに美味しくても「自立して(勝手に)売れる」ことはない。商品を「育てる」作業については 記事後半にて。
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「美味しさ」アピールがいけない理由
▲美味しさ合戦の難しさ
今の時代もう「マズイ」菓子なんて見かけません。左ピラミッドの3が「不味い」2が「まあまあ」だとすると「不味い・まあまあ」は淘汰され、当然ながら「美味しいゾーン」頂点の商品のみが生き残っています。
その中で「さらなる美味しさ」で戦うのは「非常に難儀」です。差が出せない。コンビニスイーツに何ら不満が無いのに「さらに美味しい」をアピールしても「だから何?」なんです。もう「美味しさ」アピールは少数のグルメ派(玄人)にしか響かない時代です。
▷スイーツ商品開発・監修・コンサルティングで何が完成できるのか?(←タップすると開きます)
商品が本物なら「開発過程」を積極アピール
▲作業風景や現場スタッフの様子も「過程」である
では美味しさ以外で、どうすれば他商品と差が生み出せるか?の答えの1つが「開発過程から公開する」ことです。商品が生まれた後、事後報告するのではなく、ウマくいったり、失敗したり、ピンチがありつつ無事誕生した菓子の方が、すでに「想い入れ」が発生するからです。
これが「自立して売れるお菓子」を「育てる作業」に該当します。(前半で少し触れました)ですので、ぜひ「過程」を積極的に世に伝えて欲しいのです。
近頃では農産物に「生産者さん」の顔や名前が表示された品も珍しくなく「どこの誰が作ったか」分からない状態より「詳しく分かった」状態の方が選ばれやすい。
そこでスイーツでも
「製造者の顔が分かる」
「こだわり」
「開発過程の物語」
この3点を可能な限り見せていきます。
もちろんベースの「美味しい」「素材がいい」が担保されている場合に限ります(そこに自信が無い場合は逆効果)製造者が丹精込めて丁寧に作る商品は、こうして生まれ~という開発秘話があれば「ちょっと食べてみたいかも…」と興味を持ってもらえます。
こうして「美味しさ」アピールから→「過程」アピールに変えると差別化が可能です。自信のある本物の商品でないと「過程」は見せられませんからね。
商品化前に「食べたい」と思わせる
効果的な「開発過程」の伝え方の1つに「メイキング動画(映像)」があります。商品開発途中の「まだ何の形も無い頃から」可能であれば積極的に日々公開します。
例えば、ここに2つのお饅頭があって、1つは「良く知らない」饅頭。これを「美味しいから今ここで買いませんか?」と突然営業しても売れないと思うのですが
一方「まだ何の形も無い頃から」職人が試行錯誤と、挫折、更新を繰り返し、成長過程を見てきた完成形の「そのお饅頭」は、想い入れで売れる可能性があります。
まだ商品化していない頃から「〇月頃に完成発売予定!」「完成後いち早くお客さまにお届けします」と予約販売を受付すれば、事前予約が入ることだってあります。
これをやるには「まだ何の形も無い頃から」(できる限り早期段階から)日々丁寧に伝える作業が必要です。商品完成後だと「この手が使えなくなる」んですね。
売れるお菓子商品開発・まとめ
当方では、私含む「マザースイーツ(MOTHER SWEETS)チーム」でスイーツ商品開発(売れるスイーツの商品化)アシストを実施しております。チーム編成は、こそだて世代の女性パティシエである事が強みです。
・プロ目線であり、消費者目線も持つ
・我が子に本当に食べさせたい菓子が作れる
・安心でシンプルな上質スイーツを信憑性高く謳える
スイーツ商品は産んで終わりではありません。MOTHERSWEETSチームでは5年後10年後まで愛されるレシピ構築をモットーとしております。
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◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。10年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)25年在籍している珍獣です。
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