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昆虫パウダー高配合&低糖質・低脂質のプロテインバーの試作過程を解説
今話題の昆虫食。コオロギやセミ、チョウの幼虫(カイコ)など「パウダー状」になっていればどんなスイーツへの混入も比較的簡単です。独特な味や香りも、レシピ次第でマスキングが可能。
今回試作した高タンパクプロテインバーの様子を交えつつ、経験20年超えのスイーツコンサルタントが昆虫スイーツを分かりやすくお伝えします。
目次
①材料(素材)の属性を選定します
・オーガニック素材のみ使いたい
・白砂糖は使いたくない
・人工甘味料は避けたい
・国産素材を使いたい
例えば上記のようなご要望で、特定の産地や銘柄があれば伺って反映させます。
ここで行うのは「材料選定」です。どの材料を選ぶか?で今後の開発の方向性(進路)が決まります(以下の項目参照)重要かつ知識と経験が必要なポイントです。
・材料のグレードで商品の味が変わる
・材料のグレードで顧客層が決まる
・材料確保の安定性が生産性に直結
・材料の希少性がコピー防止につながる
・材料はメーカーごとに大きく異なる
・材料の仕入れ状況が商品原価へ反映
②特に盛り込みたい条件を3つ決めます
「材料選定」の後、盛り込みたい条件を優先順に3つ確認します。
・タンパク質を多くしたい
・特に味を良くしたい
・糖質量は減らしたい…など
─────
以下のような具体的数値でも良いです。
タンパク質30g
脂質10g以下
糖質15g以下
・総重量60g~70gに収める
(小口分割なら70gでもOK
一本食べきりが辛い…は避けたい)
・昆虫パウダー5g含有
【次に欲しい要件】
・食物繊維5g
・昆虫パウダー10g
・糖質10g以下
────
この時の注意点として盛り込みたい条件が沢山あっても、1回の試作では「1つ」に絞ること。1度に複数の条件を欲張ると
・どの条件がネックになっているのか
・どこを改善すれば良いのか
が分からなくなる&しっかりしたデータが取れなくなります。
③とにかく1度目の試作をする
スイーツ商品開発は、とにかく「試作」をし現物確認をせずには始まりません。費用や期間を心配される方が多いと思うのですが、それも1度試作をすることでより具体的になります。(当方目安1試作10万・所要期間1か月~)
正直にお話すると商品開発には、おそらくご想像以上に「お金も時間も」必要です。例えば商品開発は「こそだて」と似ていて、レシピを生み出した後→育てる必要があります。
レシピというのは更新の必要があることを多くの方はご存じありません。分かりやすいのが「スマホ」で10年前の機種は使い物にならないと思うのですが、レシピも同様で時間と共に価値が下がるのです。
レシピは生んだ後も、ずっと更新する必要があります。つまり「完全に手が離れる」ことがありません(売れ続ける商品に育てるならば)
昆虫パウダープロテインバー・まとめ
今回は昆虫パウダーのプロテインバーを参考例に挙げましたが、どのスイーツでも大まかな流れは同じです。指定の素材でスイーツ試作代行を行います。
まだ本決まりではない、大量生産前の叩き台レシピが欲しいなど、商品開発を新規事業で取り組む場合など、お気軽にLINEからご相談内容をお聞かせ願います。
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◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。10年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)23年在籍している珍獣です。菓子と現場の人づくりスイーツコンサルタント。
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