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商品開発で確実にやってくるネガティブな展開の解説とリスク回避について
スイーツの商品開発で確実にやってくるネガティブな展開を解説します。ご検討中のプロジェクトが上手くいくか否か「どこで躓くか?」「このあたりで詰んじゃうよね」といった、プロが100%断言できる【先に潰しておいた方が良い】展開を経験20年のスイーツコンサルタントが分かりやすくまとめてご紹介します。
目次
予算を正しく見積もれているか?
ご予算は想像より多く必要だと思います。理由は「スイーツ」(可食部)が完成したら開発が終わり!ではないからです。
①叩き台レシピ作成費用(可食部)
②商品化に到達させる費用(容器包装含む)
③継続アップデート・微調整する費用
オリジナルレシピの完成後も継続してオリジナル商品を「育てる」必要があります。こそだてと同様「産んでオシマイ」とはなりません。
1回いくらかポンッと払えばいいんでしょ?といった見積りですと100%失敗します。優秀な社員を1名雇う位の費用感で検討されるのが良いと思います。
所要期間を正しく見積もれているか?
期間はご想像より長くかかると思います。理由は、こだわりを盛り込むほど「パーツごとの審議」になるからです。例えば「イチゴのショートケーキ」を見てみましょう。
①イチゴをどれにするか決める
②スポンジケーキをどれにするか決める
③生クリームをどれにするか決める
④、①②③を組み立てて確認する
こだわりのショートケーキを開発するには④までの工程が必要で【社内で共有・協議】となると1工程1か月は見積もるべきです。
お急ぎの場合は「こだわり」は一旦横へ置き、「売れるショートケーキ開発」をプロに全て委ねるのが得策です。「当たるも八卦当たらぬも八卦」ですが高確率で結果を出しご好評いただいております。
レシピを過信してはいないか?
レシピさえ決まれば完成・安泰!だと思っていませんか?それは誤解になります。レシピには「技術者の表現力」が必要で、表現力まではそう簡単にコピペできません。知識が無いと「レシピを読む」ことさえ無理でしょう。私が音楽の「譜面」を読めないのと同様です。
①叩き台レシピ
②試作レシピ
③調整レシピ
④確定レシピ ◁
⑤栄養成分表示
⑥OEM試作 ◁
特に④レシピ確定後→⑥OEM試作で必ずというほど「苦戦」します。それは「手作業」→「機械作業」に移行する段階です。
ここで大概、製品レベルが「落ちます」。100点のレシピが50~80点になって大量生産されるイメージです。それを100点に近づけるべく「怒涛の」調整作業に入るのです。
またレシピ構築以後も「やること」はかなり多いです。
⑦パッケージ決め
⑧納品ロットによる見積り
⑨商品管理在庫発送の手配
⑩物流テスト
レシピ完成と「商品化」達成は全く違いますし、商品化できてもそれが「スタート」だったりします。プロジェクトの9割は「予算・期間・レシピ」を甘く見積もり、スタートに立つ以前に頓挫するのが現実です。
スイーツ開発のネガティブ展開・まとめ
スイーツの商品化はご想像以上に実現が難しいと思います。ご家庭で今晩のお惣菜を作る感覚とは程遠いです。製菓の専門的な技術と知識両方が必要で、ご依頼者さまの理解・ご協力、さらにOEM先さまの調整力と、チームが一丸となる必要があります。
商品化は奇跡の連続です。
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◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。10年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)23年在籍している珍獣です。菓子と現場の人づくりスイーツコンサルタント。
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