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お菓子のオリジナルレシピが無限に作れる プロの商品開発の考え方とは?

2017.2.16  2020.8.6 2022.2.22 7.12
2023.3.25 2024.3.3 更新

お菓子のオリジナルレシピが作りたい!プロのレシピ構築を目指すなら ①材料の混ぜ方の「決まり事」を覚える ②より多くの「材料」を知ること、です。

求める味だけでなく食感・機能性まで再現できるレベルになるには?レシピ構築や商品開発職に興味のある方へ、経験20年超えのスイーツ技術コンサルタントが分かりやすくまとめてお伝えします。


▲ながら5分で聴ける音声ラジオ情報です。

目次

お菓子のレシピ創作は「建築」と同じ考え方

お菓子のオリジナルレシピ創作が難しいのは「まず最初に設計図を完成させる」必要があるからです。「料理レシピ」と違い、後から味を調えることができないんですね。

この考え方は「建築」と似ています。着工前に使う材料や寸法、構造が全て決まっており、やりながら変わることはありません。

途中で「この柱…邪魔だし要らなかったわ」とデザインの好みで外してしまうと「建物総崩れ」なんてこともあります。感情を盛り込むと機能が破綻してしまうんです。

つまり一旦スタートしたら途中で変えられないのが難しい部分で、最後の完成までを予測できないといけないわけです。

①レシピ通りにお菓子が作れる(パティシエ)
②レシピ自体を作れる(レシピ構築専門家)
①と②では全く別の技術が必要です。

想像以上に数学的、化学的な作業

スイーツを正しく設計するには「科学・数学的思考」は無視できず、正解・不正解が明確に存在します。例えば「〇+〇=10」という数式には、1+9や5+5など正解パターンが複数あるものの、2+6は不正解!といった感じ。

不正解の場合、どんなに惜しくても全体が総崩れ(形を成さないほどの大失敗)になるケースが多いです。不正解がまぐれで正解になることがない世界。

近年スイーツの【糖分】は悪者で除去されがちですが砂糖はスイーツ構造の【骨の部分(柱)】でもあるため安易に減らすと味や審美性、形状が崩れます。「変動限界値」や「変わりの柱になる材料」を熟知する必要があります。

スイーツレシピ構築家への近道は?

数字の計算「〇+〇=10」を華麗に解くには、まず「数を0~10まで全部知る」ことが重要です。お菓子レシピを構築する場合も、材料を沢山知らないとお話になりません。

製菓の「4大主要素材」(卵・小麦粉・バター・砂糖)・副材料・新素材・農産物などに詳しくなると、色々な数式が作りやすくなります。

また建築でいう「工法」、お洋服での「コーディネート」ような、スイーツ構築の「決まった型」を覚えると早いです。1から試行錯誤せず「上手くいく型」を活用するのがコツです。

レシピ構築上手は「ゴルフ」上手と同じ

ゴルフは【打数】が少ない方が上手です。スイーツのレシピ構築も試作を行う回数が少ないほど技量は上です。少ない回数で仕留める、その点が似ています。

ただプロゴルファーでも1発OK(ホールインワン)は滅多に出せません。これもスイーツレシピ構築と同じです。また3打でイケる!と思っても見立てが外れることがあります。スイーツも3回の試作でイケる!と思ったものの案外難しい…があります。

最終的に勝負をかけてみないと分からない部分が多いです。

ゴルフの場合、GOAL(狙う穴ぼこ)が明確なように、お菓子のレシピ構築もはじめに「ゴール」を明確にします。つまり「どんなお菓子にしたいのか」ご依頼者さんとよくよく相談して決める作業から入ります。

実際のスイーツ開発案件の流れ

案件にてレシピ構築を始める流れ
【ご入金~1週目は確認作業】
・ご依頼者さま既存のキッチン(あれば)確認
・製造担当者(スタッフさん)の技量調査
・指定箱、ラッピングの大きさ、仕様
・可食部に関するご希望(機能、味、見た目)

そこから
【2週目】
・マザーパティシエチーム内打ち合わせ
・完成予想デッサン共有

【3週目】
・材料選定
・材料調達
・試作実行

【4週目】
・ご試食品発送
・レシピデータ納品

【5週目】
・試食後の感想聞き取り

このように試作1回実施には1か月以上を所要します。ここでプロは5年先の時流を見据えてレシピを組んでいます。

・作り手の持つ設備、道具で再現でき
・作り手の技量で再現でき
・箱にピッタリ収まり
・味やデザインのご要望を盛り込み
・材料の調達難易度(安定性)を精査
・材料の価格高騰の可能性を診断
・コピーバリアを仕掛ける(マネされにくい)

それをスムーズに行うにはご依頼者さまと共有を重ねる時間が沢山必要です。実際の「試作製作実働時間」なんてほんの1日程度です。※急ぎの案件では共有時間が作れず見切り発車となり試作精度は落ちるので注意が必要です

レシピ構築の専門家が20年以上続けること

考えるより先に動くこと。とにかくお菓子を作りまくること。圧倒的な経験量なくして質は語れないです。

①失敗データは正答率を上げる重要情報と捉える
②焼成前の生地の味見をする
③比較分析を怠らない

当方では現在進めている商品開発のレシピの組み方や、基本レシピの比較・検証、低糖質・ヴィーガンなど機能性の高いレシピ構築法をプロ専用講座にてお伝えしています。オリジナルレシピ作りにご興味のある方は以下の記事をご覧下さい。

レシピが無限に作れるプロの思考・まとめ

当方で納品するスイーツレシピは
・材料使用数が少ない
・工程が簡潔
・特殊な器具を使わない
など、非常に簡素なので一般的から見れば「簡単そう」と思われてしまうことすらあります。

ところが「簡素で秀逸なレシピ」をサクッと組むパティシエは、これまで20年以上も修業を要し現在に至ります。

マザースイーツ(MOTHERSWEETS®)のレシピが簡素な理由として、材料数が増すごとに、保管庫の無駄、計量ミスのリスク高、生産性の下落…などデメリットが山積するためです。

こそだて世代のパティシエが、我が子に本当に食べさせたい安心で美味しいスイーツはプロが再現性を高めて作り込んだレシピでお届けします。

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◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。

商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。10年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)22年在籍している珍獣です。菓子と現場の人づくりスイーツコンサルタント。

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