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手が無意識で動くようになる クリーム絞りのプロ向けレッスン体験60分
2020.5.15 2021.5.4 9.8 2022.2.3 更新
クリームを絞る際の「力の入れ方・抜き方」とそのタイミングは、自主練習を繰り返しても「よく分からない」ケースが多いです。ただ逆を言えば、そのコツさえ掴めば短期間で絞り技術を習得できる、とも言えますよね。
最新の絞りの練習理論と「基礎~応用への」正しいステップアップ法を経験21年のパティシエトレーナーが分かりやすくお伝えします。
目次
- ○ 練習量は大切か?もっと質を重視してみよう
- ○ まず「棒絞り」を極めよう!
- ○ 絞り出す力×動かす速度
- ○ いよいよ「ローズバッドとシェル」
- ○ クリーム絞り上達・最大の秘訣
- ○ クリーム絞り 最新練習法・まとめ
練習量は大切か?もっと質を重視してみよう
△仕事が忙しく練習時間が取れない!「
パティシエは激務です。朝から晩まで立ち通し、上下関係も強い、精神的にもキツイ。毎日練習とか無理..。それでも技術が無いと「やりたい仕事」は任せてもらえない。
そこで大事なのは、練習は「量より質」ということ。沢山練習すれば報われるのではありません。ちょっと厳しいようですが、正直「できない人が・できないなりに・試行錯誤で練習しても」効果は薄いです。(厳しくてごめんなさい)
まず「上手くいかない原因」がご自身で分からない状態で練習するのは不毛です。それよりも「上手くいってない箇所はAとBの2点」「まず今日はAから練習しよう!」のように「できていない部分」と「進める部分」が分かるように整理することが肝心です。
まず「棒絞り」を極めよう!
できていない部分・進める部分を明確にするのが「棒絞り」です。以下の動画のように(10秒で終わるのでタップしてご覧下さい)ただ真っ直ぐ、長く線状に絞るだけ。
▲速度など編集なし・下書きなしのフリーハンドの状態です。
これが何故重要なのかと言うと、お試しいただくと「できない部分」が明確になるからです。
▲棒絞りが不安定な状態
「短く切れる」「曲がる」「太さがばらつく」など、どこかに不具合が生じたとします。
棒絞りが切れるということは、応用絞りでも切れます。棒絞りが曲がるなら、何を絞っても曲がります。棒絞りの太さがばらつくなら、何を絞っても大きさが揃わなくなる。
▲ローズバッドも不安定
棒絞りは「絞りの源流」です。棒絞りの出来具合と、絞り全般の精度は比例関係にあります。棒絞りがキレイにできない段階で「他各種絞り」がキレイにできることはない、ということです。
つまり、棒がキレイに絞れるようになるまでトレーニングするのが最初の1手です。棒絞りができれば「どの絞りでも」できるようになります。
△棒絞りができるとローズバッド・シェル絞りも安定
絞り出す力×動かす速度
ここでは根性論ではなく、理論的なお話をします。まず棒絞りで正確な「クリームを絞り出す力加減」と「絞り袋を動かす速度」を体に覚え込ませます。タイミングや力の調整を無意識でできるようになるまでです。考えてやっているうちは、まだ足りません。先に進んでも思うようにできないでしょう。参考としてクリーム絞りのステップアップ順(難易度レベル)をご紹介します。
レベル5 側面の絞り
レベル4 シェル
レベル3 ローズバッド
レベル2 棒絞り
レベル1 絞り袋にクリームを(キレイに)詰める
棒絞りができたら→ローズバッド→シェルの順で進めていきます。進めるタイミングは「無意識」でできる段階になるまでです。無意識の程度は「お箸」を参考にします。お食事をされるのに「お箸の力加減」とか「口へ運ぶタイミング」は考えないですよね。お箸が使える人は、そこは「無意識」です。絞りもお箸と同じレベルで無意識でできるまでトレーニングを積みます。
▼棒絞りは「2つの意識」が影響してきます
意識①: 絞り出す力
①(力)=クリームが出てくる量の調節・絞り袋を握りしめる力
意識②: 動かす速度
②(速度)=絞り袋が移動するはやさ・絞り袋の移動速度
「棒絞り」で意識したい2点を無意識で行えるまで練習します。どちらか1点でも乱れると棒絞りはキレイにできません。次のローズバッドは基本の2点に+αで意識したい点が増えてきます。以下をご覧下さい。
いよいよ「ローズバッドとシェル」
ローズバッド(バラのつぼみ型)
シェル(牡蠣の殻型)
▶ローズバッドと▶シェル(←タップすると詳細記事が開きます)
ローズとシェルは製菓学校で最初に習う基本の2大絞りです。まるでペアのように習うので、同じ難易度と思いきや実は難しさのレベルが異なります。
ローズバッド(力 ・速度・回転)意識3点
シェル(力 ・速度・前後・太らせ)意識4点
人間が意識して同時にこなせることは、せいぜい2つ。3つも4つも要求されても上手くいきません。棒絞りで2点無意識でできれば、あとは回転するだけ・太らせるだけの練習を追加すればいいのです。
例えば、サーカスなどで見かける「ジャグリング」(複数の物を空中に投げたり取ったり繰り返す)も最初は少ない数から練習して、1つずつ投げる数を増やします。これと同じ練習方法です。▽「太らせ」の感覚を掴む練習動画(18秒)
クリーム絞り上達・最大の秘訣
△絞りが安定してきた様子
技術習得をスムーズに進めるポイントは技術の「細分化」です。いきなりローズバッド・シェルに挑戦すると上手くいかず「何が原因か?」も特定できない状態に。そこで棒絞りからスタートし「どこを改善すればいいのか明確」にしておく。
先輩・上司に相談しても「練習が足りない」とか「経験が必要」と片付けられたり、ひどいと「何でできないんだ!!」といったキツイ言葉が飛んでくるケースも。
「なんでできない!」=「私にはできない原因が分かりません」なので「あなたに教えてあげることができません」という降参状態なのです。これは良くないですよね。
つまり原因と対処がセットで言語化できている状態が、プロの最新レッスンなのです。
▼ラジオ感覚でお聴きいただける5分音声テキストです。両手が塞がっている時にどうぞ。1日5分聴くだけドリル。時間の有効活用に!!(画面をタップすると開きます)
クリーム絞り 最新練習法・まとめ
これまでの練習法が「感覚が掴めるまで」量をこなす式だとすれば、最新の練習法は「理論的」に質を高める式だと言えます。「短時間で習得して」職場の立場が良くなった方が、ずっと仕事は続けやすくなります。
ケークアバンチュールの「手が無意識で動くようになる」クリーム絞りのプロ向けレッスン体験60分で個別指導を行っております。LINEからご相談いただけると嬉しいです。
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◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
ナッペや絞りでプロを極めてパティシエを続ける方を応援しています。10年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)21年在籍している珍獣です。
つきえ経歴(←タップしてご覧下さい)パティシエを続ける方の練習指導・コンディションを整えるパティシエトレーナー。
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