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菓子製造技能士 洋菓子2級の課題1 合格するビスキュイの仕込み方
2019.11.06 2020.06.20 2021.10.9 更新
菓子製造2級技能士(洋菓子技能検定)の課題1にあるビスキュイって?仕込み方がよく分からない!正解はどうなんですか?審査員にチェックされるポイントは?
洋菓子2級の合格に必要な情報をギュッと詰め込みました。技能検定の疑問に菓子製造1級技能士である、経験21年のパティシエトレーナーがお答えします。

課題1では「生地の仕込みを理解しているか」をチェックします。審査員の方々は四六時中 受験者の作業工程を見ていません。最終的にビスキュイの焼き上がりで「仕込みの理解度」を判断します。
皆さんもご存知かもしれませんが、公式問題で指示されている「別立て生地」(卵黄と卵白を分けるタイプ)は、共立て生地(全卵で仕込むタイプ)と違い「流動性が無い」状態が正解です。
仕込み上がりがタラタラ流れてしまうと、絞り出しても形が決まりません。つまり生地の仕込みでミスをすると「ほぼ点数はもらえない」と思った方がいいでしょう。
問題には「別立て法で仕込む」と一言だけ書かれ、具体的な指示がありません。そこはプロとしてキチンと読み取ろうね!という課題です。
まず、問題(図面)がお手元に無い場合は▶こちら公式ページ【2級】製作等作業試験問題PDFからご覧下さい。

◆卵(殻付き2個)130g
◆グラニュー糖 50g
◆薄力粉 50g
◆バニラオイル 適量
とあります
今回のビスキュイの指示は「別立て仕込み」でした。卵黄と卵白を分ければ良くて、正解は1つではありません。グラニュー糖をどこに加えるか?どのタイミングで加えるか?卵黄はホイップするか?等々、迷いますよね..目安として私の見解を以下へ書きますね。
卵黄はほぐさないようにする
=ボウルを極力汚さない・時間短縮
グラニュー糖は全量卵白に加える
=手立てのためタイミングを遅らせる
数回に分けることが必要
①卵黄・卵白を分ける(卵殻を活用)
②卵白でメレンゲを作る
③グラニュー糖は最終的に全量卵白へ入れるが、数回に分ける、遅めに加える
④完成したメレンゲに卵黄・バニラを混ぜる
⑤ふるった粉を合わせる
その心は?理由を書き出してみます。

卵黄をほぐさずボールに入れておくのは、ボールを傾けるだけで卵黄が移動でき、時間短縮につながります。過去の強者は、卵殻に卵黄を保管していました。洗い物を減らすメリットがありますが、作業台が揺れて卵殻が倒れないようフキンを敷く等、対処が必要です。
卵白は砂糖が入らない内は簡単に泡立つ・砂糖が入るほど泡立ちにくくなります。グラニュー糖を入れるタイミングを最大限遅らせると手がラクです。
※試験は電動ミキサーが使えません。持参する道具を参考にして下さい
メレンゲに卵黄・バニラを落とし、混ぜる作業まではホイッパーを使います。粉合わせ作業はゴムベラに切り替えます。
女性の受講者さんでも、慣れれば5分で「いい生地」が仕込み上がりましたよ。30分以内で絞り~片付けまでいけるのが理想です。

「いい生地」の判断は「保形性」で決まります。粉合わせ後の段階でボールを傾けてみて「流れない」生地なら成功です。絞った形がハッキリそのまま残る生地が「いい生地」でして、それは「メレンゲの精度」と「粉合わせ加減」で決まります。
ビスキュイアラキュイエールの生地が「ジェノワーズ」(共立てのスポンジケーキ)のようにユルくなってしまうと持ち点は、ほぼゼロの状態です。それだけは避けましょう。
絞り終わった生地は会場のオーブン係の人に渡せば完了です。(ご自身で焼成する必要はありません)
①敷き紙に補助線を書く(5分)
②生地を仕込む(10分)
③生地を絞る→オーブン係員に渡す(10分)
④片付け(5分)
計30分以内

洋菓子技能検定2級の試験時間はトータル2:30。課題1に30分・課題2に2時間残せるとベストです。
過去の試験で私は「補佐員」という(技能検定の審査員ではなく)案内係を数回担当させてもらったのですが、東京の試験会場を拝見していて、びっくりする位「ぶっつけ本番」なんだろうなあ、、という受験者さんを多数お見かけしました(失礼を承知で言います、ごめんなさい..)
この試験、どんな経験者でも「ぶっつけ本番」で合格できるほど甘くありません。2級は主にデコレーション(絞り)のテクニックを試されるため、毎日職場でデコレーションする方は「楽勝でしょ!」と思いがちです。
ただ、試験の難しさは「デコレーションのテクニック」にありません。「間合い」の技術が必要だから難しいんです。
例えば、下書きナシでハガキに宛名を書くイメージですね。文字自体はキレイでも、列が曲がっていたり、余白部分が偏っていたり、収まりが悪いとダメじゃないですか。
これ毎日ハガキに宛名を書くお仕事をされていても、ハガキのサイズを変えられたり、文字数が極端に増えたら調子が狂うのですが..この試験でも同じことが起こります。▷洋菓子技能検定に必要な間合いの技術とは?ぶっつけ本番が効かない理由(←タップすると開きます)
つまり試験用に必ず1度は練習が必要ということです。この試験、コツさえ掴めば必ず合格できます ※国家資格としては難易度は低いと思います。
私はパティシエを続けたい人を応援しています。

【月江 瑞穂】つきえ みずほ と申します。

◆菓子製造1級技能士
◆技能検定課題 実演授業を製菓学校にて受け持つ
◆技能検定 補佐員(試験会場見回り役)経験あり
パティシエを続けるためのアシストを行うパティシエトレーナー▶つきえ経歴
つまり、つきえは 菓子技能検定に詳しいのですね。

▶菓子製造技能士を目指すなら「1日5分聴くだけ」音声ラジオ
ブログ一覧から「技能検定含む 全500記事」を閲覧できます。 ↓ ↓ ↓
菓子製造2級技能士(洋菓子技能検定)の課題1にあるビスキュイって?仕込み方がよく分からない!正解はどうなんですか?審査員にチェックされるポイントは?
洋菓子2級の合格に必要な情報をギュッと詰め込みました。技能検定の疑問に菓子製造1級技能士である、経験21年のパティシエトレーナーがお答えします。

▲東京二子玉川キッチンにて ビスキュイを練習中
▲この課題2の前に、課題1ビスキュイアラキュイエールを仕込むんですよね..
ビスキュイで絶対 押さえたいポイント
課題1では「生地の仕込みを理解しているか」をチェックします。審査員の方々は四六時中 受験者の作業工程を見ていません。最終的にビスキュイの焼き上がりで「仕込みの理解度」を判断します。
皆さんもご存知かもしれませんが、公式問題で指示されている「別立て生地」(卵黄と卵白を分けるタイプ)は、共立て生地(全卵で仕込むタイプ)と違い「流動性が無い」状態が正解です。
仕込み上がりがタラタラ流れてしまうと、絞り出しても形が決まりません。つまり生地の仕込みでミスをすると「ほぼ点数はもらえない」と思った方がいいでしょう。
問題には「別立て法で仕込む」と一言だけ書かれ、具体的な指示がありません。そこはプロとしてキチンと読み取ろうね!という課題です。
まず、問題(図面)がお手元に無い場合は▶こちら公式ページ【2級】製作等作業試験問題PDFからご覧下さい。

課題1ビスキュイ配合を分析
◆卵(殻付き2個)130g
◆グラニュー糖 50g
◆薄力粉 50g
◆バニラオイル 適量
とあります
今回のビスキュイの指示は「別立て仕込み」でした。卵黄と卵白を分ければ良くて、正解は1つではありません。グラニュー糖をどこに加えるか?どのタイミングで加えるか?卵黄はホイップするか?等々、迷いますよね..目安として私の見解を以下へ書きますね。
卵黄はほぐさないようにする
=ボウルを極力汚さない・時間短縮
グラニュー糖は全量卵白に加える
=手立てのためタイミングを遅らせる
数回に分けることが必要
①卵黄・卵白を分ける(卵殻を活用)
②卵白でメレンゲを作る
③グラニュー糖は最終的に全量卵白へ入れるが、数回に分ける、遅めに加える
④完成したメレンゲに卵黄・バニラを混ぜる
⑤ふるった粉を合わせる
その心は?理由を書き出してみます。

卵黄をほぐさずボールに入れておくのは、ボールを傾けるだけで卵黄が移動でき、時間短縮につながります。過去の強者は、卵殻に卵黄を保管していました。洗い物を減らすメリットがありますが、作業台が揺れて卵殻が倒れないようフキンを敷く等、対処が必要です。
卵白は砂糖が入らない内は簡単に泡立つ・砂糖が入るほど泡立ちにくくなります。グラニュー糖を入れるタイミングを最大限遅らせると手がラクです。
※試験は電動ミキサーが使えません。持参する道具を参考にして下さい
メレンゲに卵黄・バニラを落とし、混ぜる作業まではホイッパーを使います。粉合わせ作業はゴムベラに切り替えます。
女性の受講者さんでも、慣れれば5分で「いい生地」が仕込み上がりましたよ。30分以内で絞り~片付けまでいけるのが理想です。

合格する生地はどんな状態か?
「いい生地」の判断は「保形性」で決まります。粉合わせ後の段階でボールを傾けてみて「流れない」生地なら成功です。絞った形がハッキリそのまま残る生地が「いい生地」でして、それは「メレンゲの精度」と「粉合わせ加減」で決まります。
ビスキュイアラキュイエールの生地が「ジェノワーズ」(共立てのスポンジケーキ)のようにユルくなってしまうと持ち点は、ほぼゼロの状態です。それだけは避けましょう。
絞り終わった生地は会場のオーブン係の人に渡せば完了です。(ご自身で焼成する必要はありません)
課題1の30分タイムスケジュール
①敷き紙に補助線を書く(5分)
②生地を仕込む(10分)
③生地を絞る→オーブン係員に渡す(10分)
④片付け(5分)
計30分以内

洋菓子技能検定2級の試験時間はトータル2:30。課題1に30分・課題2に2時間残せるとベストです。
過去の試験で私は「補佐員」という(技能検定の審査員ではなく)案内係を数回担当させてもらったのですが、東京の試験会場を拝見していて、びっくりする位「ぶっつけ本番」なんだろうなあ、、という受験者さんを多数お見かけしました(失礼を承知で言います、ごめんなさい..)
この試験、どんな経験者でも「ぶっつけ本番」で合格できるほど甘くありません。2級は主にデコレーション(絞り)のテクニックを試されるため、毎日職場でデコレーションする方は「楽勝でしょ!」と思いがちです。
ただ、試験の難しさは「デコレーションのテクニック」にありません。「間合い」の技術が必要だから難しいんです。
例えば、下書きナシでハガキに宛名を書くイメージですね。文字自体はキレイでも、列が曲がっていたり、余白部分が偏っていたり、収まりが悪いとダメじゃないですか。
これ毎日ハガキに宛名を書くお仕事をされていても、ハガキのサイズを変えられたり、文字数が極端に増えたら調子が狂うのですが..この試験でも同じことが起こります。▷洋菓子技能検定に必要な間合いの技術とは?ぶっつけ本番が効かない理由(←タップすると開きます)
つまり試験用に必ず1度は練習が必要ということです。この試験、コツさえ掴めば必ず合格できます ※国家資格としては難易度は低いと思います。
私はパティシエを続けたい人を応援しています。

【月江 瑞穂】つきえ みずほ と申します。

◆菓子製造1級技能士
◆技能検定課題 実演授業を製菓学校にて受け持つ
◆技能検定 補佐員(試験会場見回り役)経験あり
パティシエを続けるためのアシストを行うパティシエトレーナー▶つきえ経歴
つまり、つきえは 菓子技能検定に詳しいのですね。

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