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スイーツ商品開発 有名店を模倣する際の最大の注意点

有名店〇〇のスイーツをアレンジして販売したい!ベンチマーク品(お手本となる商品)の模倣をしてスイーツ商品開発する際、最大の注意点は「マネしやすい」=「マネされやすい」ということです。今からマネされる側になった時、どうなるのか?シミュレーションをしてみたいと思います。
目次
簡単にマネできた!=万歳とは限らない
有名店のあのスイーツを「そっくり」に再現して欲しい!というご要望は多いです。いわゆる「ベンチマーク品の模倣」というやつです。
マネする側としては試作回数をできる限り少なく、短期間で「マネする」ことができれば「成功だ!」と思いがちですが、本当にそれが正解なのかな?と疑問に思うことがあります。
仮にたった1回の試作で「まぐれ当たり」で上手く模倣できても、危険なのは「データがゼロ」であることです。データというのは「材料Aを〇%調整すると食感を〇〇にすることができる」というような取扱い説明書のことです。
データがゼロでも最初は全く困らないのですが商品が仮に「メガヒット」した時、影響が出てくるように思います。というのも、「少ない試作回数」「短時間」で模倣できた商品は「簡単にコピー商品を作られてしまう」からです。
マネされやすい商品=攻め込まれやすい商品
▲たくさん試作すると、たくさんデータが取れる
試作数回で簡単に模倣できる商品は、他者にも簡単にコピーされてしまう商品です。当方では、できれば「コピーされにくい」商品作りをおススメしています。
コピーされにくい商品を作るには「材料Aを〇%調整すると食感を〇〇にすることができる」のようなデータの蓄積(取扱い説明書の作成)が必須です。その上で「配合のここを工夫すれば絶対マネされにくいよね」という仕掛けを埋め込むことが可能になります。
データの蓄積は複数回試作(実験)を繰り返すことでしか得ることができません。「多くのマネっこ」は辛抱強く試作実験を繰り返すことができず、その時点で模倣されにくい商品に1歩近づくことになります。
試作の実験結果が生命力になる
▲試作実演:混ぜる順番で食感が激変することも
今〇〇スイーツが売れてるらしい!となると「必ず模倣」されます。小さなお店から大企業まで「ほぼそっくり」にマネされた上「もっと低価格」「どこでも手に入る」「日持ちがして便利」といった+αのメリットを付加してきます。
つまりマネする立場では「簡単にマネできた!ラッキー!」と思うのですが、マネされる立場になった時「どうなるのかな?」と不安に思うことがあります。
結果みんなマネするから何とかして!となってもデータが無いと戦うことができないのです。模倣者側の方が膨大なデータを持っていた場合、こちらがアレンジを加えても最速でコピーされ「レシピの取扱い」で勝つことは難しくなります。
商品開発で有名店を模倣するなら・まとめ
一時的に売れれば良い「一発屋商品」ならいいのですが、長く愛される商品を目指すのであれば、試作実験を蓄積していくこと自体が財産になります。
「とらや」さんのような有名店も「昔から変わらないあの味」と言われ続けるために、気付かれないようレシピをミリ単位で更新継続するそうです。本当に昔のレシピで放置したら時代遅れの味になってしまいます。
このようにレシピは蓄積し育てていくことで本当に価値のあるものになっていくと思います。お菓子を生むだけでなく、育てる過程もぜひご提案させて下さい。
LINEで「模倣されないスイーツ」とコメント送信いただくと「ヒアリングとご提案」をします。
登録だけですと、ご用件が分からないので、ぜひコメントをお願いします(^.^)
◆月江 瑞穂(つきえ みずほ)と申します。
商品開発をしたり、製菓業界の知見をお話したり、パティシエに技術指導をしたりしています。10年続ける人が、わずか1%しかいない菓子業界に(こそだてしながら)21年在籍している珍獣です。
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